こんにちは。storyIの猪俣恭子です。

あなたに最も影響を与えているのは、何だと思いますか?

それは、環境でも他人でもありません。
実は、あなた自身の心の内側で起きている「おしゃべり」なのです。

例えば、

「しまった」
「なんで?」
「また失敗した」
「めんどうだなあ」

など。

それらの「心のおしゃべり」は無数に、ものすごいスピードで流れています。

「心のおしゃべり」は私たちの感情と行動を大きく左右します。

今回は、この「心のおしゃべり」と上手につきあうステップをお伝えします。

最初のステップは、この「おしゃべり」の存在に気づくことです。

あなたは、心の内側でどんな「おしゃべり」をしていますか?

例えば?

「この忙しい時に、なぜ会議をするの?」
「会議のファシリテーションが上手くいかなかったら、どうしよう」
「また緊張したらどうしよう」
「どうして、また失敗してしまったのだろう」
「なんで、こんなひどいことになったんだろう」
「どうして、あの人はいつもこういう態度なんだろう」
「私はちゃんとやっているのに、私は悪くない」
「どうしたら、私のほうが優秀だってわからせることができる?」

もしも、このような「おしゃべり」をしていたら?
一層、不愉快な気分になるばかりです。

不愉快な気分にまきこまれて、感情的な態度をとってしまい、あとで後悔したり落ち込んだり反省したりします。

そうなる前に、自分の感情と行動に影響を与える「心のおしゃべり」の存在に気がつくことができれば、客観的に自分自身を見つめられるようになります。

第2ステップは、あなたが相手をどのような存在と見ているかに気づくこと、です。

ポジティブな感情と行動を引き出したいのなら、一瞬でも構いません。
相手は「あなたと対立する人ではなく、仲間なのだ」と思ってみてくだい。

一瞬でもそう思うことで、ほんの少しでも相手の立場になって考えられます。

第3ステップは、その上で、「心のおしゃべり」を変えてみることです。

例えばこのように。

「それって、事実だろうか?」
「今、私ができることは何だろう?」
「今、この件から学んでいることは何だろう?」
「この出来事は、私にとってどのような意味があるのだろう?」
「私がしている思いこみがあるとしたら、何だろう?」
「あの人は、今、どんな気持ちだろう?」
「あの人は、今、何を必要としているだろう?」
「私が怖れていることは、何だろう?」
「起こりうる最悪の状況は何だろう? それに対して、とれる具体的な行動は何だろう?」

具体的な例で考えてみましょう。
仮に、あなたが次のようなことで、心がざわついていたとします。

「Nさんがしたミスで、予定が大幅に遅れた。お詫びの一つでも言ってほしいのに、何もない。
なんで! 事の重大さがわかっていない!」

いったんそう思うと、頭の中は忙しくなります。相手への憤りはどんどん膨らむばかり。
一日中、気になって仕事が手につきません。

そして、こうも思います。

「ああ、Nさんは間違っている!」

そこでストップ。

自分がこのような「おしゃべり」をしていることに気付けたら、そこで止まることができます。
Nさんも同じ職場の一員で、仲間です。

こうして、怒りのボルテージが少し下がったところで、さきほどのような「心のおしゃべり」に変えてみましょう。

「それって事実だろうか?」
→ 確かに結果は悪かった。
でも、Nさんが事の重大さがわかっていないというのは事実でなく、私の推測だ。

「今、私ができることは何だろう?」
→ ミスをしたことはNさんもわかっているはず。
本人か今どう思っているのか、どんな気持ちなのか、聴いてあげたほうがいいかもしれない。

「今、この件から学んでいることは何だろう?」
→ 上司として、リーダーとして、この事態をどうまとめるか、その対応力を学んでいるように思う。

少しずつ少しずつ、あなたは理性と冷静さを取り戻します。

とるべき行動も自ずと見えてきます。

自分の中の「心のおしゃべり」とうまく付き合う。

それができるようになれば、どんな状況であっても最良の選択ができるようになります。

普段、あなたがしている「心のおしゃべり」は何ですか?

それをどんな「おしゃべり」に変えますか?