こんにちは。storyIの猪俣恭子です。

前回は、相手の強みを探す前に、自分の内なる強みを探しにいくことの価値をお伝えしました。

今回は、自分がどれくらい相手の「強み」を意識しているかを振り返る時間にします。

では、次のお題から。

あなたは今、相手の「強み」をどれくらい意識して見ていますか?

私のことを参考までにお話しします。

身近なところで、「夫」からいきましょうか。

夫の「強み」なんて全くと言っていいほど意識していません。
日々の彼とのコミュニケーションで中心になるものは、「あれやって」「これやって」「あれはどうしたっけ?」と要望や確認することばかりです。

コーチングのクライアントの方たちに対しては?

「強み」に焦点をあてているはずです。

しかし、よくよく考えれば、「焦点をあてている」だけのような気がしてきました。

行動プランをたてたり、問題解決をしていく場面で、本人の「強み」がより効果的に活用できるようにコーチングしているかというと、はなはだ疑問です。

「強み」という領域よりも、その人の「価値」「ニーズ」「感情」「心の声」「ビリーフ」「話していないこと」は何かに相応のエネルギーを費やしながら一緒にいるようで、ダイレクトに「強み」という概念で観察していないように思いました。

効果的にコーチングできる可能性は、どうやらもっとありそうです。

研修の受講者の人たちに対しては?

コーチングのクライアントの方と比べると、観察の領域が明らかに違います。

ペアでディスカッションしている時の話の聞き方、話している内容、話し方、グループディスカッションしている時の同じグループの人たちへの配慮の仕方、休憩時間の過ごし方を観察している自分に気づきます。

そこから感じたことや思ったことを「~~~は、あなたの強みだと思います」と、可能な限り研修中に本人へ伝えています。
コーチングのクライアントの方の場合は内面を観察しますが、研修受講者に対しては、行動からよみとれる「強み」を優先して見ているようです。

では、友人に対してはどうでしょう?

あの人、この人・・・と友人を思い浮かべます。

しかし、友人たちの「強み」を意識しながら一緒にいることはないような気がしてきました。

意識していることは、自分が何を話すかということのよう。
同じ友人の場合でも、会話のテーマが相談の場合はどうだったかを思い出してみました。

友人の「強み」を意識しながらその場にいるというよりは、その友人が元気になるような言葉を懸命に探している感じです。

以前、キャリアカウンセラーの仕事をしている時の自分はどうだったかを振り返ってみました。

そもそも仕事が、相手の自己PRや志望動機が明確になるためのサポートなのですから、ダイレクトに「あなたの強みは?」に焦点をあてていました。

職務経歴書作成でも、求職者が今まで経験してきた仕事の棚卸しをしながら、本人ができること、得意なことを整理しつつ、それらの「強み」が応募職種のどの場面でどのように活かせるのかを思案する毎日でした。

ここでは明らかに相手の「強み」を意識していたようです。

自分が顧客の場面ではどうでしょう?

営業の方やお店のスタッフ、また電話オペレーターの方に対して、「この人の強みは?」なんて一瞬たりとも考えながらいたためしはありません。
それよりも、自分の要望をきちんと相手に伝えることに意識を集中させています。

一緒に仕事をしている人、してきた人たちにはどうでしょう?

意見が交錯するミーティングの場面を思い出してみます。

「この人はこういう捉え方をする人なんだな」と受けとめることで、相手の意見を理解するようにしていました。

それは、自分と異なる相手の見解や意見を「強み」と見ようとするよりは、相手と折り合いをつけるためにどうするかに自分の脳は奮闘しているように思いました。

ここまで書いてきて、はっきりわかったこと。
それは・・・。

「人の強みを見つけ、お互いの望ましい結果に向けて、お互いの強みを生かしましょう」なんて聞こえのよいことを言っておきながら・・・。
私は、人の「強み」などほとんど意識しないで生きていることがわかりました。

がっかりです。

しかも、気を遣わなくてもいい相手、それは相手に対して甘えていることにもなるでしょうが、そういう相手ほど「この人の強みは?」なんて考えながら一緒にいることはないこともはっきりしてきました。

で、どうしたいか? ですね。

もしも私が今まで以上に相手の「強み」を意識し、意識するばかりでなく、その「強み」をのびのびと活かすことができる人になれたら、今とどう違ってくるでしょう?

違いがあるという前提でイメージしてみたら?

何が起こるかはわかりません。
しかし、なにか変化が起きるように感じます。
相手に、私に、そしてお互いの関係に。

それが何かを確認するためには、まずやってみなければわかりません。

キーワードは「観察」。
ひとつの切口は「行動」。

相手が自由時間にしていること、初対面の人と関わっている場面、意欲的に行動している場面、他者からフィードバックされた時やタスクが重なった時にとっている行動などから、推測できるその人の「強み」

話の仕方、思考の展開、よく使う言葉の背景にありそうな、その人の「強み」

まずは、「この人の強みは何だろう?」と自問自答しながら観察してみることをやってみようと思います。

次回のブログでは、それをしてみての気づきをお伝えするところからスタートすることをお約束します。

どうでしょう?
あなたも一緒にやってみませんか?

意識して体験をつくることも、自分自身の内なるリーダーシップを育むことに一役かいますから。