昨日の朝、テレビでたまたま『がっちりマンデー!!』を観た。
テーマは、『いろんな会社が押し寄せる!「視察が殺到する会社」』。
そのうちのひとつ、日本理化学工業の取り組みに、
まさに「強み」を活かすとはこういうことかと、
感じ入ったことがあった。

日本理化学工業は、
学校で使うチョーク製造を主とした会社である。
全従業員81人中60人が知的障がい者(内28人が重度の障がい者)だそうだ。
(平成27年4月現在)
障がい者多数雇用を目指したのは、
ある日、禅寺のお坊さんから教わったことにあるとのこと。
それは、
 人間の究極の幸せは、1つは愛されること、
 2つ目はほめられること、
 3つ目は人の役に立つこと、
 4つ目は人に必要とされることの4つ。
 福祉施設で大事に面倒をみてもらうことが幸せではなく、
 働いて役に立つ会社こそが人間を幸せにする。

こちらの社員の皆さんが、
いかに真摯に誠実に仕事に取り組んでいるかは、
こちらのページで詳しく見られる。

さて、テレビを観ていて、はっとしたのは、
「障がい者の特徴を活かす」という言葉だった。
知的障がい者は、同じ動作を繰り返して集中する作業が得意とのこと。
だから、そういう作業を担当してもらい、
間違いなくやってもらうことで、
現場の生産性を確実に上げていく。
見事、戦力だ。

一方、障がい者ならではの弱点もある。
その弱点をフォローする体制も、
きちんとつくっているところが“さすが”だった。
例えば、数字を読むのが苦手だったら、
ストップウォッチで作業を管理するのではなく、
代わりに砂時計を使う、とか。

また、この材料はこの秤で測らなければならない、
というものもあるそうだが、
そのあたりの判断ができないのであれば、
色を活用して識別できるようにする。
例えば、赤い缶に入っている材料は、
赤い色がついているおもりで測る、など。

働く人たち全員で企業の目標を達成するために、
強みを客観的に捉え、その強みが活かせられる場をちゃんと用意する。
同時に、弱点がフォローできる方法も考え、形にする。
「あの人はこれができない」と、決めつけたまま終わらない。
何があったらできるようになるのか、
考えて工夫して、できる方法をとことこん探す。

こういう環境のもとだったら、
人はやはり働くのが楽しくなるだろう。
事実、インタビューで、ある障がい者の方は、
「仕事は大変だけど、おもしろい」と答えていた。
そこに偽りは全くない。
心底、本当に、そう思っているのだ。

他人の役に立っていると自分で実感できる。
それ以上に幸せなことはない。

人の強みを活かし、
弱点はフォローする。
その両輪を、口先だけでなく、
ちゃんと提示できる人や企業のもとであれば、
人は、本来の力以上のものがだせる。
だしたくなる。

人のモチベーション云々というのは、
あれこれと複雑に考えすぎるきらいがあるが、
案外とこんなシンプルなところにあるのかもしれない。

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