先日、同じくコーチの仕事をしている友人と
コーチの倫理規定やコアコンピテンシーについてディスカッションした。

「この前、コンピテンシーを読んでみたら、
 今までと違って、すごくすんなり頭に入るようになった。
 ここまでくるのに10年かかったなあ」

感慨深く友人に言った。
確かに初めて読んだ時は、さっぱりわからなかった。
何を言っているのかイメージがわかなかった。
意味も全く理解できなかった。
結果、「こんなのわからなくたって、コーチングできる。
わからなくてもいいやー!」と投げやりになっていた。
というのが、当初の頃。
それが読んでいて、何のことかイメージがわくようになったのだ。
まるで物語を読んでいるかのように。
やはり、自分のものになるまで10年はかかるのだろうか。
そうぼんやり考えた。

「いや、今までだって、読んだ時なりの理解はあったんじゃないの」

友人の言葉で、目が覚めた。
そうだ、その通り。
危ない、危ない。
もしもこのまま感慨にひたっていたら、
これからコーチングを学ぼうする人たちに、
「私は10年かかって、ようやくコンピテンシーの内容が
 わかるようになりました。
 最初は意味がわからないと思います。
 でも、焦らないでください。
 いずれ、必ずわかるようになりますから」
と、尤もらしく話していたに違いない。
それを聞いた相手はどんな気持ちになるだろう。
よし、頑張ってコーチングを続けるぞ、と意欲がわくだろうか?
反対に、それだけの時間が必要なのかと、
気が遠くなるかもしれない。
だったら、他のことに時間を使ったほうがよいと、
コーチングを学ぶのは趣味程度になってしまうかもしれない。
危ない、危ない・・・。
自分だって、結果にたどりつくまでの成長もあったはずなのに。
「始まり」と「今=結果」。
どうも私はそういう捉え方をする傾向がある。

あらためて自分を知った。
これは友人がちゃんと自分の意見を言ってくれたからこそ。
もしも、
「そうよねえ。コンピテンシーが理解できるまで、
 それだけはかかるわよねぇ。
 何せ、一つのことがモノになるまで、10年かかると言われているしね」
なんて同調していたら、
私は自分の考えをより固めていてたに違いない。

結果は大切。
それと同じくらい、プロセスも大切。
一段階、一段階、グラデーションのごとく、
人は成長しているのだから。
何事も一足飛び、なんていうのはない。

  前回と比べてできたところはどんなところ?
  前回と比べて上手くいくようになったところはどんなところ?
  前回と比べて改善されたところはどんなところ?

相手と向き合うときに、
これらの質問を自問自答してみようと思う。
人の成長ややる気を喚起する場面では、
特に私自身を助けてくれる問いになろう。

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