先日のリーダー研修の休憩時間でのこと。

「私って相手が何を思っているのか、とても気になるんです。
 そんなに気にすることないって、よく言われるんですけど。
 だめですよねぇ」
笑いながら話すAさんは、
職場で部下をたばねるリーダーだ。

そうなんですか、わかっていてもどうしても気になっちゃって、
そういう自分が情けなく感じたりして? と、
日頃の私だったら共感するところだが、
ここは研修という場だ。
研修受講というのは、
「仕事をしている」のと同じ時間。
職場でリーダーであるAさんがそのように言っているのを、
もしも私が上司や部下の立場で聞いていたら、
あまりよい気持ちにはなれない。
聞いていて、士気が下がる。
言ってほしくない言葉だ。

「Aさん、ちょっといいですか?」
「はい、なんでしょう?」
「ご自分のことを『だめですねぇ』と言われますが、
 本当にそう思っていますか?」
「はい」
「そのように、ご自分のことを『だめですねぇ』と言うことで、
 Aさんは何を得ているんですか?」
「いや、まったく何も得ていないです」
「得ていないんですか?」
「はい。何もいいことはないです」
「何もいいことないのに、なぜ言っちゃうんでしょうね?」
「・・・・・・」
「それに、少し想像してみてください。
 Aさんの周りの方が、
 Aさんが『私はだめだ』と言っているのを聞いたら、
 どんなふうに感じるでしょう?」
「よくないですね・・・」
「ええ、私は聞いていて気持ちが後ろ向きになる感じがします。
 Aさんは、周りの人をそうさせたいわけじゃないですよね?」
「そうです。でも、言わないようにするのは難しいです」
「じゃあ、こういうのはどうですか?
 『私はだめだ』と言いそうになったら、
 他の言葉に言い換えてみるというのは?」

Aさんはこの提案に対しても、
難しそうな表情をされた。
代わりの言葉など、なんでもよいのだ。
「今、できることは何だろう?」、
「慣れていないだけだ」、
「新しいことに挑戦しているんだ」など。
研修受講中、講師である私とこういうやりとりをしたことは、
Aさんの今後に何かしら影響があるはずだ。
自分が何気に口にする言葉に意識が向くようになるだろう。

もしも、あなたの職場で、
同じようなことがあったら、
今のような私の関わり方が参考になれば嬉しい。

そういうことは軽々しく言ってほしくないと思った時、
そういう態度はとってほしくないと思った時。
「やめてほしい」とお願いする前に、
なぜそういう言動をとっているのか、
訊ねてみる。
話してもらう。
それから、そのような言動から、
自分はどのような気持ちになるのか、を伝える。
そのうえで、何をどうしてほしいのか、
本人に率直にリクエストする。
実際に職場では、
本人が意識して変えようとしている様子に気がついたら、
最近はこんなふうに変わりましたね、意識してるんですね、
と伝えてあげるとよい。
それは、本人にとってそれを続けようという勇気づけになるから。

さて、その後のAさんは職場でどう変わっただろう?
それとも、変わらなかっただろうか?
研修だけの関係だから、もう知ることはない。
しかし、Aさんはじめ、研修に参加された方たちが、
リーダーとして自分のよいところが十分に表現され、
部下たちとタッグを組みながら、
良き仲間として協力しあい、成長しあい、
目標達成の時にはお互いに喜びあえるような、
そんな未来が待ち受けていたら嬉しい。

それをそのまま私のビジョンに、
講師として「このまま職場には帰らせられない」と感じることがあったら、
これからも積極果敢に関わっていきたい。

・・・・・・・

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