コーチングの勉強会でのことだ。
あるテーマで周囲からフィードバックをもらったものを振り返り、
これからどのように活かすかについて、
講師とやりとりする場面があった。

「Aさん、もらってみてどうですか?」
講師がAさんに質問する。
「うーん・・・。つまらないですね」
Aさんはそう言い放ち、瞬間、私たちの間に緊張が走った。
一体、この場はどんな展開になってしまうのだろう。
講師もとまどいと動揺が隠せない。

「つまらない・・・というと?」
「こんな結果で、今の自分、つまらないなと」
「・・・・・・・」
いよいよもって、場に緊張感がたちこめる。
しかし、次の言葉に、はっとした。

「でも、自分はこれだけ『伸びしろ』があるんだな、と思いました。
 まだまだ、こんなに成長の可能性があるんだな、と」

決して負け惜しみでないのは、
Aさんの軽やかな声のトーンでわかる。
いいことを言う。Aさん。
そうか、『伸びしろ』か・・・。

先日、あるフィードバックで、
「おー、この項目がこの点数?!」
と、がっかりしたことがあった。
その項目とは、「講師からの質問で気づきが得られた」というところ。
結構、私は自分に厳しいほう故、その結果に反省しきりだった。
  なんでこうなったのか? 
  何があったらよかったのか?
  一体、何年コーチングしているんだ、自分。
しかし、その時、なぜかAさんのことが思い出された。

「伸びしろ」?
そう捉えたら、どう?
そうか、私の質問力というのは、
まだまだ成長する可能性があるっていうことだ。
そう思えたら、反省はしていても、
「これからどうする? 何から始める?」と
意識が前向きな方向に切り替わった。
これって、とってもよいことだ。

時間は流れている。
とりまく環境も人も刻一刻と変わっている。
そんな中、反省ばかりしていたら、
自分一人、取り残されてしまう。
それでは、周囲とのギャップはいよいよ深くなるばかり。

私にはこんなところがまだまだ「不足」している。
そう捉えたほうが、変化に適応し成長できるのか?
それとも、私にはこんなところにまだまだ「伸びしろ」がある。
と捉えたほうが、そうなれるのか?

一概には言えないだろうが、
対象がモノや事柄ではなく、
人の場合は、やっぱり後者だろう。

今日発見する、あなたの「伸びしろ」は何だろう?
そして、相手の「伸びしろ」は何だろう?
そんなふうにしてみると、
自分に対しても相手に対しても、
まなざしが優しくなるのでは?
その優しいまなざしのもとで、
人は初めてOKを感じることができ、
変化を自ら創れるようになるのでは?
いや、きっとそうだろう。
それは、リーダーとしても、上司としても、
大切なことだと思う。

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