原晋さんの講演を聞いた。
言わずとしれた、青山学院大学陸上競技部の監督の方。
講演タイトルは、
青山学院大学陸上競技部 躍進の秘密
箱根駅伝に学ぶ人材育成術
「箱根駅伝が終わると選手はモテ期に入ります。
駅伝が終わった後の私の仕事は、
選手に届くファンレターの仕分けなんですよ」
会場は、どっと笑いの渦に包まれる。
講演ではご自身の歩みも紹介された。
なるほどなぁ、と思ったことがあった。
それは、上司との出会いだ。
原さんは、中国電力陸上部に入るも、
足首の故障で退部。
そこからスタートした社会人は、
会社の一番下部組織のサービスセンター。
あまりものギャップにかなり落ち込んだそう。
そんな彼に上司(人事部長)が言った。
君の生き様はずっと見ているから、
頑張りなさい
この言葉があったからこそ、
「絶対、這い上がってやるんだ!」と覚悟が決まる。
その後、省エネルギーの提案営業で成果を出し続け、
やがて新規事業5人に抜擢されるまでなる。
順調にサラリーマン人生を送っていた矢先、
陸上の後輩から相談された。
「青山学院の陸上部の監督になってもらえませんか」
やってみたい気持ちもあるが、
上手くいかなかった時を考えれば、
家庭もあることだし、なかなか踏ん切りがつかない。
考えた末、会社に籍を置きながら、
監督ができないものかと社長に直談判。
すると社長はこう言ったそう。
(一言一句を覚えていないが、次のようなニュアンス)
そんな中途半端な気持ちじゃ、ダメ。
学生に足元すくわれるぞ。
結果がでなかったら、
この人は会社に戻るんだ、と。
どうせ行くんだったら、日本一になりなさいよ!
この言葉に目が覚めたそうだ。
覚悟をもって挑戦しよう。
自分自身も変えたい。挑戦したい!
そうして青山学院大学に乗り込んだ。
何回も口にされた「覚悟」とやらは、
もともと原さんの心の内側にあったのだと思う。
そこに光をあて育てるきっかけになったのは、
たまたま身近にいた原さんの上司の存在、言葉だったのだなぁ。
よい結果をだして幸せそうに見える人に話を聞くと、
返ってくるのはいつも同じ。
「あの時のあの人がこんなことを言ってくれたからです。
それがきっかけで・・・」
たまたま、そういう人がいたからなのか?
そんなことを言ってくれる人が身近にいたこと自体、
恵まれていることなのか?
ではないと思う。
自分に言われた言葉を、
その後の人生を変えるきっかけにできる感性が、
その人にどれくらいあるのか、ではないか。
日頃の誰との会話にも、
自分の人生を変えるきっかけになる言葉は、
散りばめられている。
それを見つけられる感性を大切にしたい。
同時に、身近な人たちにかける言葉にももっと意識しよう。
原さんの話に登場した人事部長や社長のような存在に、
私たちは誰でもなれる可能性があるのだから。
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