10年以上も前のことだ。
私は、ある団体でリーダーの立場にあった。
なんとなく気になっているメンバーのAさんがいた。
その人のブログを読んだ時のことだ。
匿名だが、それは私のことだ! とすぐわかることが書いてあった。
話し合いの時に、リーダーが後ろ向きな発言をしたので、
メンバーも後ろ向きになってしまった。
リーダーは常にポジティブさを失ってはだめだ、
のような内容だった。

まさかそんなことを思っていたなんて。
一緒にいる時には、そんな素振りは全く見せず、
にこやかにしているのに。
心底驚いた。
私の発言をそのように捉えるのかと、
少しこわくも感じた。

さて、この件をどうしたらいいものか。

今はこうさらりと書いているが、
当時は、かなりショックだったし、
なぜ理解してくれないのか、と悲しい気持ちにもなっていた。

年上の方に相談してみると、返ってきた答えはこう。
「自分のブログに何を書こうが、その人の自由。
 いちいち反応しないこと」
頭ではわかるが、心が納得できない。

しかし、今だからわかることがある。

Aさんは、自分がリーダーになりたかったのだ。
嫉妬していたのだろうなと思う。私に。
だから、自分がリーダーだったらこうするのにと、
私の言うこと、することひとつひとつに反応してしまっていたのだろう。
あんなににこにこと笑顔でいたけれど、
心の中では、泣いていたのかもしれない。
それを少しでも共感できていれば、
Aさんとの関係も違っていたかもしれない。

リーダーの立場になると、
それは誤解じゃないか、と感じる場面が多々ある。
なぜ、わかってくれないのだろう、と憤りさえ感じる場面も多々ある。
そうなった時には、
私など、自分の正しさを相手に主張したいスイッチがピッと入ってしまう。
しかし、「正しさ」という視点で状況を見てみると、
自分も相手もそれぞれの世界では、どちらも正しいのである。

それよりも、
「この人の“何”がこういう態度をとらせているのだろう?」
そう考えたほうがよい。

考えているうちに、その人の満たされない欲求が何なのかが、
少しずつ見えてくる。
それがわかってくると、相手が理解できるような気分になる。
そんな気分になると、不思議なことに、
今まであれほどまでに感じていたイラつきが、
やんわりとしてくる。

ただ、はっきり言えるのは、
人間関係ですごく苦労させられる人からしか、
学べないことがあるということだ。
そして、そういう体験を持っている人が、
優しく、強く、芯のある素敵なリーダーになれるのだと思う。
だから、今、
人間関係でしんどいとか、辛いことに直面しているのであれば、
それは自分が目指す理想のリーダーになるための登竜門なのだと捉えてみよう。
自分は、真のリーダーになるために選ばれたのだと、
そう考えてみよう。
と言っている自分も、まだまだ学びの途中。
大きいことは言えないが、大切にしたい思いである。

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