高校時代、バレー部の部長をしていた。
同学年の部員数は8人ほどいただろうか。
私自身の役不足というのもかなりあり、
他の部員たちとの人間関係がギスギスしたことがあった。
何回か話し合いをしたが、
私たちだけではまとまれず、
学年が一つ上の先輩たちにも加わってもらい、
今後どうしていくかについて話し合いをした。

ある日の放課後、場所はバレー部の部室にて。
同学年の部員たちが、
部長の私への不平不満をつらつらと言い続ける。
かなり心が痛んだが、耐えるしかなく、
俯きながら黙ってその言葉の数々を飲み込んだ。

ひとしきり彼女たちが吐き出した後だ。
先輩の代で部長だったNさんさんがその場をまとめるべく、
何か話そうとしたその時。
「あのさ、さっきからみんなが自分が言いたいことを
 一方的に話しているじゃない。
 でも、ふっこはどう思っているんだろう。
 ふっこの気持ちも聞いてあげようよ」
はっとしたNさんが
「ああ、そうだね。ふっこはどう思っているの?」と促した。
「私は・・・」と話そうとしたが、
涙があふれ言葉に詰まり、何も言えなかった。

その後のことは、もうあまり覚えていない。

それから私たちはどうなったか。
いい感じになったのだ。
お互いの家に遊びに行くようになったり、
試験の前は一緒に勉強したり、
練習の時には笑顔さえ見られ、
声かけをお互いにするようになった。
他の部の人たちからも「最近、バレー部、明るくなったじゃない」
と言われるまでになった。
結局、私たちの学年は全員退部することになったが、
それも、全員でよくよく相談したうえで決めたことだ。

しかし、高校時代のバレー部のあのこじれた人間関係は、
先輩のKさんの一言がなければ、絶対ほどけることはなかった。
ああいうことが言える人ってどれくらいいるのだろう?
「ふっこの気持ちも聞いてあげようよ」
そんな公平で平等な態度や姿勢が、
その場にいる人たちの視野を一瞬にして広くした。
自分のことばかり、ではなく、
相手の立場に立つことを可能にした。
今、先輩のKさんは、地元で経営者として活躍されている。

「あの人ってこうなんですよ」
相手がある人の噂を話す時は、一方的な見方にならないよう、
双方の立場に配慮しながら、偏りがないように耳を傾ける。
相手への不平不満がある時は、
そのメンバー同士がよりよいチームになるための、
ある意味、成長痛のようなもの。
そのように思えるようになったのも、
あの時のバレー部の体験があってこそ。
そして、何よりも、Kさんという先輩のおかげと、
暖かい気持ちであの時を振り返る。

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