研修の仕事をしているが、
受講者の方から、大いに学ぶことが多い。
その日の研修は、
マネジャーにもうすぐなられる立場の人たちが対象だった。

自分が目指すマネジャーになるために、
何が必要か? 大切か? という問いに対し、
一人の女性の方がこうおっしゃった。

「現場のスタッフに声かけをします」

声かけ? 
大切なことだ。
コミュニケーションの量は質につながる、
なんてありきたりなことじゃなく、
そこにはもっと深い何かがあるような気がした。

「どうして、声かけが大切なんですか?」

「こんなマネジャーになりたいと憧れている人がいるんです。
 その人は、職場にほとんどいないんです」
「職場にいない?」
「そうなんです。現場にしょっちゅう顔を出しているんです。
 そして、一人ひとりのスタッフに、
 それこそ、いろんな声かけをしています。
 すごいんですよ。
 その人が会社の中でどこにいるかって、
 現場の人たちも知っているんですよ。
 『ああ、今、どこそこにいるよ』って」
「すごいですね。それと“声かけ”がどのように関係するんですか?」
「日頃からそうやって声かけしているマネジャーだったら、
 何か突発的なことが起きて指示する時、
 また何かイベントの指示をする時、
 現場の人たちは、聞いてみよう、という気になるんですよ。
 でも、日頃から声かけしていなければ、
 『このマネジャー、誰?』『どんな人?』『何考えている人?』、
 からのスタートなんです。そこからして違うんです」

なるほど・・。納得しきり。

「声かけ」が目的なのではなく、
「よき関係を創る」ために、
「声かけ」をする、ということか・・・。

声をかける、なんて至ってシンプルなこと。
誰だって、できることだ。
しかし、誰だってできることを、
際立たせてやれる人、やり続けられる人、
そういう人に、人はついていこうと決められるのだろう。

あれもこれもと目新しいものを学ぼうとする前に、
足元を今一度よく固めよう、改めてそう思った。

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