先日、久しぶりに歯が痛くなり、
何回か歯科医院に通った。
親知らずの歯だ。
痛み止めの薬に頼るまでの痛みだったが、
根管治療を経て、
あともう少しで治療も終わり、という頃。

「この歯をどうしたいですか?」

不意に医師に質問された。
私としては、また金属で被せてもらおうかと、
ぼんやりとしか考えていなかった。
しかし、改めて「どうしたいですか?」と問われて、
はっとした。
それまでは、ただ診察台で治療を受けていればよいと、
ある意味、のんびりしていた。
それが、目が覚めた思いになった。
休んでいた脳が、一気にぐるぐると動き出す感じさえした。

どうしたいか? だって?
抜くとか? 他にはどんな方法があるのだろう?
間違いなくここで起きたのは、
この状況、決めるのは医師ではなく、
私なのだ、ということ。

「んー。決めるだけの情報がないので、
 答えがでません。
 どういう方法がありますか?」

医師は、詳細を説明してくれた。
抜いても支障がない歯であることと、その理由。
抜かない場合は、金属で被せる場合、
もしくは、プラスチックで蓋をしめる場合。
それぞれのメリットとデメリット。
双方のこれから起こりうるリスク。

 抜きたくはありません。
 金属にしようかな、
 でも、やっぱりプラスチックでもいいかな。

あれこれ5分くらい医師とやりとりを交わす。
結果、プラスチックで蓋をしめることで決めた。

小さな決断、だろう。
しかし、不思議なことに爽やかだった。
どんなささいなことでも、
考えられるだけの情報があって、
その中から自分で考えて、
自分で選んで、
「これでやります」と言い切る経験。
もちろん言い切ったあとは、
そこはかとない不安は残る。
ほんとうにこれでよかったのか、と。
でも、時間が経つごとに、
日が経つごとに、
納得感が自分の中で増していく。

やっぱり、いいのだ。
この質問。
「あなたはどうしたいですか?」
なんてことない質問だ。
でも、「どうしたい?」と訊かれれば、
初めて「私は本当はどうしたいのだろう?」と、
真剣に考えられる。
それが成長につながるのだ。
自信にもつながるのだ。
そんなことが日常生活で繰り返し経験されれば、
思考力の強いたおやかな人になっていく。

ということを実感したので、
あっけらかんと「どうしたい?」と質問できるようになった。
仕事の時にも、オフの時にも。
相手によっては、眉間にきゅっと皺が寄る人もいる。
困った表情になる人もいる。
考え込んでしまう人もいる。
なんだか苦しめているようで、
私自身多少なりともひるんでしまうのだが、
ぐっとこらえる。

あなたはどうしたい?

この質問は、
相手のために必ずなる、
そう信じていれば、
それが相手の成長の栄養源にきっとなる。

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