研修中、次のような質問を受けることが多い。
「この前、部下から話しがあってと言われ、結局、二時間聞きましたよ。
課内のことで、いろいろたまっていたことがあるようで、覚悟はしていたんですけれど。
でも、これでよかったのかな、と思って・・・」
上司やリーダーの立場になれば、
誰でも似たような経験があるのではなかろうか。
面談などもそうだ。
「この前、面談をしたのですが、まあ部下が喋る、喋る。1時間半、聞きましたよ」
このような話を結構聞く。
しかし、話を聞くのが一時間、二時間・・・となるのは、やはりきつい。
こちらにも、こちらの都合がある。
部下一人に、それくらい時間をとっていたら、肝心の自分の仕事のほうがままならない。
どうしてこうなるのだろう?
なんとなく会話が始まってしまって、最初に「今日は○○分にしよう」と決めていないから?
それもあるだろう。
しかし、根本的な理由は、「この時間でちゃんとした答えがでるようにしたい」という思いがあるからではないか。
だから、そのためには10分、20分じゃなく、多めに時間をとったほうがいい、と考える。
解決の兆しが見えなければ、答えをだすべく、アドバイスに力が入ってしまう。
それが悪いわけじゃない。
しかし、「その会話で、ちゃんとした答えはでなくてもいい」のだ。
それよりも、相手が問題解決の方法について、自分ごととして考え続けられるように関わったほうが、本人の成長にずっとつながる。
それに人は、答がでなかったものほど、考え続けるものだ。
だから、会話の時間は短くても構わない。
その感覚はお任せするが、10分、15分くらいでも十分だ。
もちろんそれくらいの時間で、じっくり考え、話すことはできないだろう。
だから、時間がきたら、「続きはいつ話そうか?」と次回の予定を決めればいい。
「ここまで話して、何か気づいたことはあるの?」
「ここまで話して、はっきりしたことは何?」
「ここまで話して、わかったことはあるの?」
こんな問いを投げかけてあげよう。
これに対し、相手からは、「ある」かもしれないし「ない」かもしれないし、もしくは「わからない」と返ってくるかもしれない。
しかし、何がどう返ってこようが、動じないことだ。
「じゃあ、次の機会に、考えたことや気づいたことを教えて。次回、また話そう」
これでよい。
短い時間の会話を定期的に繰り返し、繰り返し、積み重ねる。
それを通して、お互いの関係は創られるというもの。
冒頭の質問をくださる方には、いつも、そのようにお伝えしている。
すると、皆さんは、「目からうろこ」のような表情をされ、一様にほっとされる。
肩の力が抜けたような感じにさえなる。
コーチングというコミュニケーションは、そういう構造をとっている。
一回のセッションの時間は30分~60分。
その一回のセッションで、さながら会議のように、完了することを目的にしていない。
それよりも、クライアントがセッションの時間で十二分に自由に考え、自由に語り、語った自分の言葉を聞いて、気づきが起きたり・・・。
そんな時間になるように、コーチは注力する。
目的は、セッションが終わったあとも、クライアントが考え続けられるように。
会話は途中で終わっても大丈夫。
どうぞ、安心して。
・・Point・・・・
相手との会話の時間は、長くとれなくても大丈夫。
会話が途中で終わっても大丈夫。
「この続きは次にまた話そう」
そして、次の予定を一緒に決める。
関係というのは、その積み重ねで出来るもの。
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