大河ドラマ『真田丸』を楽しんでいる。
群雄割拠の戦国時代。
それぞれの武将が知恵と情報と人脈のかぎりを尽くし、
領土を守るために覚悟をもって生きている。
それは潔いの一言。
すかっとする。

ところで、ドラマのシナリオは、
プロの作家さんが書いているだけあって、
珠玉の会話や言葉が、あちらこちらに散りばめられている。

昨夜の『真田丸』もそう。
焼けち落ちた武田の居城跡地での
徳川家康と家臣の本多正信のやりとり。
「火傷にはふきの葉がよく効く」など、
博識ぶりをうかがわせる正信。
なんでも知っているのだなと感心する家康は、
正信に訊ねる。
「これからどうなる?」と。
すわ、正信がその広い見地のもと、意見を述べるのかと思いきや、
「どうなるか、ではなく、殿がどうなさりたいか、です」
と、ぴしっと返した。

それは、「それを考えるのが、あなたの仕事」と、
相手にはっきり伝えたのも同然。
訊ねられれば、
なんでもかんでも自分が教える、答えてあげる、
ではない。
相手が自分で考えられるようにしている関わり方だ。
それに質問する側は、実は自分なりの考えが既にあるもの。
正信から「あなたがどうしたいかだ」と返された後、
家康は、ふっと含み笑いをしていた。

とはいっても、相手から意見を求められて、
「あなたはどうしたいと思っている?」と返すのは、
なかなか勇気がいることだ。
私など、いつもどきどきしてしまう。

何にどきどきするかって?
「わかりません」と返ってくるのが怖い。
「なんだ、教えてくれないんだ。冷たい人だな」なんて思われたら、
信頼を失ってしまうかもしれない、と不安になる。
せっかく私の意見を訊いてくれているのに、
その気持ちをないがしろにすることにならないか、と躊躇う。
いろいろな思いが一瞬で錯綜する。

しかし、結局は相手のためなのだ。
相手がより自分の意見でもって、
自分の足でしっかり立って、
揺るぎない自信をもって、
己の意見を周囲に語れるように。
自分自身で物事の判断ができるように。
責任をもって決断ができるように。
そうして、人として成長していけるように。

そう思えるようになってから、
「あなたはどうしたいんですか?」と、
愛情を含んで、問うようにしている。
私は、あなたがあなたの考えを表現する最大限のサポートもするし、
あなたがあなたの考えを実践していくことも、もちろん最大限サポートする。
そのような思いを込めて。

それに対して、
相手がどう思おうが、
どんな答えが返ってこようが、
それは関係ない。
何が起ころうとも、そう問うことによって、
二人の関係も前進するのだ、と信じている。
それでよい。

大河ドラマ『真田丸』。
引き続き、コーチングの視点で観てみよう。
多くの気づきがありそうだ。

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