上司やリーダーという立場になると、
相手のことをすごくよく考える。
考えたあげく、
この人はこういう人なのかもしれない、と、
自分の頭の中に「その人の人物像」をイメージして、
きっと「そういう人」なんだろう、と落ち着いてしまう。

ということはないだろうか?

しかし、それは、
相手が仕事がしやすいように、
働きがいを感じてもらえるように、
周りの人と打ち解けられるようにと、
心を配るからこそだ。

しかし、そうやって、
一人でいつも頑張らなくていい。

相手に対して、わからないことがあれば、
率直に訊いてしまったほうがいい。
  
研修でもそう感じる場面に出くわす。
研修で、コミュニケーションの4つのタイプについて取り上げている。
受講される方にとって、
最も腑に落ちるコンテンツだ。
何せ、「人はそれぞれ違う」というのは理屈では知っているが、
具体的になにがどう違う? というのは、なかなかわからない。
その「わからない」が、「わかる」ようになるのだから。

さて、4つのタイプを学んだあとに、
大方、訊かれる質問がある。
「どうしたら、相手がそのタイプだって、すぐにわかるようになりますか?」
そりゃ、そうだろう。
この人は何のタイプの傾向が高いんだろう?
サポーターかな? プロモーターかな?
それとも、アナライザー? コントローラー?
迷っていれば、それだけ対応が遅くなる。
相手に不快な思いをさせたくない。
こういう声かけや対応はまずいのか、
関係づくりに失敗したくない、と思う。
それに、答えがはっきり出ない状態ほど、
気持ち悪いものはない。
気持ちはわかる。

このような質問をいただくたびに、このように説明している。
「だから、毎日、相手を「観察」することに意味があるんですよ。
 話し方のスピードはどうかな、第一印象はどうかな、
 まじめな感じ、はっきりしている感じ、穏やかな感じ、楽しそうな感じ?
 話し方はどうな? 相手にあわせるように話す? 断定的に話す・・・など。
 それが相手に「興味、関心」を持つことなんですよ」
と。
しかし、これだけでは質問に答えたことにならない。
そこで、続いて次のようにも伝えている。

「相手に訊いてみちゃえばいいんですよ」

こう言うと、受講者の皆さんは一様に、
はっとしたような、驚いたような顔をされる。
「タイプ分けのアセスメントを受けてもらって、
 『どうだった?』と訊いてみる。
  そこから会話が始まって、関係性もできますよね」
なるほど、とうなづく受講者の皆さん。

「そういう方法もありますが、 
 もっと日常的にできるのは、教えてもらっちゃえばいいんです。
 どんな仕事の進め方がやりやすいの?
 どんな褒められ方だと受け取りやすいの?
 どんなタイミングで褒められると、より嬉しいの?
 仕事上のトラブルや大変だった時って、
 どんなふうに乗り越えてきたの?
 うちの会社に入社した動機って何なの?
 うちの会社で、仮に三年後は、どうなっていたいと思うの?
 働くうえでは、どんなことがモチベーションになるほう?
 例えば、『競争』『役に立つ』『挑戦』『結果』『チームワーク』・・・・」

など、「その人がどんな人」なのかを、
本人から教えてもらっちゃう。
ただ、心にとめておきたいのは、
はじめに教えてくれた内容が、相手の真実ではないということ。
「あの時はこう話したけれど、本当は違うな」
そういうことは、誰にでもあることだ。
だから、一回聞いたら「はい終わり」ではなく、
折に触れ、また訊いてみる。教えてもらう。

お互いの関係は、
そのようにして豊かに強固になっていくもの。

「この人はああかな、こうかな」と、
一人で頑張って気を遣いすぎない。
相手から教えてもらう。
それも是非、自分のスタイルに取り入れてみてほしい。

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