NHKの『プロフェッショナル仕事の流儀』を録画しては、
少しずつ見ている。
昨日見たのが、『最後の職人~ニッポンを支える男たち』。
2月22日放送のものだ。

国宝や重要文化財の修復や保護に欠かせない、漆黒の漆。
その採取に欠かせない道具が「漆カンナ」。
その漆カンナを日本で唯一作れるのが、
青森県の中畑文利さん。
オーダーメイドで作る漆カンナは、
使う職人のくせや、木の特性にまであわせて作るとか。
中畑さんは、白血病を患い、目には緑内障がある。
いつまでこの仕事を続けられるのか。

そんな中畑さんの言葉に心を打たれる。
「お客様が満足する道具を作れなければ、
 ただのカタチのものを作っているしかない。
 使いやすい道具をともかく作りたい。
 使う人が使いやすい道具をつくるのが、最終目標」
中畑さんが作った漆カンナを使う職人は、
「まるで自分の手と同じ」、
「自分の命の次に大切」と目をほそめて言う。
カタチばかりの道具ではなく、
魂が宿っている、
そんな感じさえ迫ってきた。

さて話が変わるが、
三菱自動車の燃費データ改ざん問題。
新聞によると、部長級社員が部下に、
「何としてでも燃費目標を達成しろ。
 やり方はお前が考えろ」
と高圧的な発言をしていたらしい。
性能実験部は子会社に測定を丸投げで、
「たくさん良いデータをとってほしい」と
指示したのみ。
一体、あの会社が作った車は何だったのか?
車というカタチにのせた、何か他のものにしか感じられない。
「最高の燃費を目指す」「他社に対抗する」。
それも大切だ。
しかし、車の魅力は燃費だけなのだろうか?
他にも多々あるはずだ。

燃費が他社のほうがよかったとしても、
 それでもうちの車をお客様が選ぶとしたら、それは何だろう?
自分たちが開発した車でお客様はどれくらい幸せになるだろう?
人々の生活がどれくらい楽になって、どのように役立てられるだろう?
お客さまがどのような気持ちで車に乗ってくれたら嬉しいだろう?
お客さまにどのようなサービスを提供したいだろうか手花
法人としてどのような企業として存在し、世の中に貢献したいのか?

そのようなビジョンや目的だって、あるはずだ。
企業にだって、個人にだって。
それらを職場でいつも話していたら、
燃費目標はもっと魅力的な目標になっていたのではないか。
燃費向上に向けて、社員それぞれに達成感や、
充実感や感動する体験だって起こっていたはずだ。

度の過ぎた目標至上主義。
人は、「目標」だけをつきつけられると、
心が疲れる。疲弊する。
最良の選択ができなくなっていく。
なんて哀しいことか。

中畑さんは、「目的」からそれていない。
カンナを作る工程は、
中畑さんにとって、単なる作業ではなく、
人生そのものなのだ。

目標ばかり見つめてはならない。
何のためにそれをしているの?
本当は心の底にある、
あなたの目的、相手の目的に、十分な光を注いでいこう。

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