研修の参加者とはその場限りの縁。
おそらくはもう会うことはない関係。
だからこそ、今しか関われないスタンスで、
アグレッシブに関わることも多々ある。
「課長になったのですが、マネジメントの時間がとれない。
部下への引き継ぎが上手くいかない。
部下がもっと主体的になって、
私の仕事を覚えてほしいのですが」
「残業が減らないんです。それがすっごくストレスで。
上司に相談するんですが、真剣にとりあってくれないんです」
「ある後輩なんですが、手順にそって仕事をしないんですよ。
だから、“抜け”が多くて。
どうしたら、手順にそって仕事をしてくれるようになるでしょうか」
「アルバイトの女性が仕事にやる気がないっていうんです。
今の仕事をこなせばいいと。
自分としては、もっとやる気をだして
課題を見つけながら仕事してほしいんですけど。
どうしたらそうなりますか?」
会社は人間関係の「悩みのるつぼ」。
それも「相手はどうしたら変わってくれるの?!」という。
そのうち「他人は変わらないってことですよね!」と、
あきらめモードや怒りモードに入り、
「なんであの人はこうなんだ」と愚痴る世界に浸ってしまう。
これは不幸だ。
そもそも「相手はどうしたら変わるのか」なんて、
それは相手本人しかできないこと。
振り返れば、自分だって、かつて親や先生や顧問や友人から、
「あなたはこれこれこういうところがあるから、改めるように。
今度からはこれこれこういう行動をとるように」
と言われて、「はい、わかりました」と
素直に正直に軽やかに変われただろうか。
他人の要求をのんで自分の何かを変えるというのは、
多少なりとも負荷を感じるものだ。
信頼している、尊敬している人から言われるのであればまだしも、
そうでない人から言われれば、反感すら感じるだろう。
それよりも、自分がコントロールできることに、
自分の限られたエネルギーを使ったほうがいい。
そのほうがずっと建設的だ。
人間関係の「悩みのるつぼ」に陥った時は、
自分が「るつぼ」に入ったことにまず気づくこと。
そして、自分に問うことだ。
今のこの状況を作っている要因が自分にあるとしたら、
それは何だろう
と。
自分だって、この環境を構成している一員だ。
不服不満を感じているこの環境は、
自分もつくっている一員なのだとすれば、
自分から変化を起こすことは可能なはずだ。
自分ができることを探す。
自分ができることをやる。
そのほうが、ストレスレベルだって下がる。
上記の方たちは次のような気づきがあった。
「部下のことを本当に信頼して仕事を任せていない自分がいますね。
思い切って任せることをしたほうがいいですね」
「ただ上司に不満を言う言い方になっていました。
もしかしたら、上司は“小言”のように聞こえていたのかもしれません。
まず、自分の仕事の進め方を見直して、改善できる方法を見つけます」
「そもそも、その後輩をあまり信頼していなかったですね・・・。
後輩に声をかけるなど、自分から近づいてみます」
「その質問は、がつーんときますね・・・。
本当に彼女はやる気がないのか。
やる気がない、と決めつけていたかもしれません。
今度、一緒に話し合いの時間をつくってみます」
自分の態度が柔らくなれば、
柔らかくなった自分を見て、
相手も何か変わりたくなるもの。
人と人は影響しあっているのだから、それは起きて当然。
相手に対して、不平不満が大きくなってきたら。
この問いは、とても有効だ。
まずは自分自身に使ってほしい。
そして、あなたの周りの人にも投げかけてほしい。
人はそもそも主体的。
主体性を取り戻せる問いだと、私は思う。
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