電話会議でのコーチングの勉強会でのことだ。
ファシリテーターから、ミュート機能の説明をいただく。
参加者全員で一度ミュートの設定をして、
それを解除する練習をしましょう、というシーン。
私含めて参加者は、ミュート設定にした状態を次々に解除し、
自分の声が他の参加者にも聞こえる状態に戻る。

しかし、Aさん一人がなかなか戻らない。
「Aさん!」と、ファシリテーターもその方の名前を何度も呼ぶ。
「はい!」ようやくAさんの声が聞こえた。
なんでも指定された三桁の番号を同時に押していたとのこと。

それを聞いた瞬間、思った。

「ふつうは、『○△×』と押してくださいと言われたら、
 同時に押さないよね。○→△→×の順番に押すでしょ」

声なき自分の心の声を聞き、また思った。
危ない、危ない。
そうだ、この考え方は危ない!

というのは、「ふつうは、○○○○だよね」とくれば、
大方、次のようになる。

「なんで、あの人はそうじゃないんだろう。おかしいよ」

と。
いやいや、おかしくなんかない。
その人は、同じ事実に対して私とは違う捉え方をした、
ただそれだけなのだ。

自分と異なる捉え方をする人に出会うたびに、
「自分とは違う」と距離をつくっては、批評家モードになっているのか。
それとも「自分とは違う」と、そこに面白さを感じ、
新しい視点の可能性を見出しているのか。

「一人ひとりを活かす」を謳い文句に仕事をしている私ならば、
やはり後者でありたい。

ところで、昨日、コーチングのテキストを読み直していたなかに、
思わずはっとした箇所があった。
それは、被害者意識に陥っている人が発しがちなセルフトークのリスト。
そこに「ふつうは」の言葉があったのだ!
他には、「どうせ」「こんなもの」「言っても無駄だろう」なども。
無意識に口につく言葉は、
何気に本音を表しているからなあ。

やはり、あの時は被害者意識に陥っていたか、自分。

コーチングにおけるコーチの役割は、
相手の主体性(当事者意識)を高める働きかけをすること。
だからこそ、自分の主体性(当事者意識)が今、どのような状態なのか、
俯瞰して見られる心のゆとりを持っていたい。
気がつくことができれば、じゃあどうしたいのか、
それからの行動を自ら選ぶことができるのだから。

責任を持って自ら選ぶ。
そういうことができる人が、本当の意味で自由な人、なのだと思う。

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