思わず達成したくなる目標。
そんな目標になったら、とても幸せだ。
どうしたらそうなるだろう?
私が思うに、
その目標が自分にとって“いいイメージ”であることが大切だ。
いいイメージ?
楽しい、面白い、わくわくする、
そんな気分になるイメージ。
早く、そこにたどりつきたい、達成した時の気分を味わってみたい、
達成したときの風景を見てみたい、
そんなイメージだ。
何故、それが大切なのだろう?
人は自分が見ている“イメージ”のほうに、
考えも行動も自然に流れていってしまうものだから。

それを実感したことがあった。
数年前のことだ。

その時、ある駅の構内を俯き加減で歩いていた。
ふと顔を上げると、まっすぐ正面から私に向かって歩いてくる年配の男性が目に入った。
睨みつけているような、きつい視線・・・。
まるで「どけ! 邪魔!」と言っているような・・・。
どかなきゃ!
しかし、目と目があった瞬間から、
どういうわけか視線が外せなくなってしまった。
歩く歩数分、お互いの距離はぐんぐん縮まる。
「まずい! このままだとぶつかる!」
頭の中は、危険信号がせわしく点滅。
にも関わらず、身体がいうことをきかない。
あっ、ぶつかる! とその時、
ようやく「すみません」と視線を外せた。
瞬間、全身の力がふっと抜け、
身体を左にそらすことができ、すんでのところで避けられたのだ。
「ちっ!」
その男性は舌打ちをして、そのまま歩いてゆき、今度は遠のいていった。

なるほど、こういうことか。
人の身体というのは、
自分が今見ているほうに吸い寄せられるように動いていってしまう。
あの男性とぶつからないように身体をそらしたかったら、
“身体をそらす”のではなく、
“視線を外す”ほうが効果的だったのだ。

「人は見ているほうに、自ずと流れていく」ことを学んだ。

ということは、
頭の中のスクリーンで見ているのは何だろう?
そのスクリーンにはどんな映像が映っているのだろう?
辛そうで、大変そうで、面倒な感じがする映像?
それとも、
楽しそうで、面白そうで、わくわくする感じがする映像?

前者だったら、
どれくらい私たちはやる気がでるだろう?
辛そうで、大変そうで、面倒な感じがするものを
やってみたい、やろう! なんて気にどれくらいなるだろう?
かなりしんどい。

だから、
その目標が、思わず達成したくなるような目標になるためには、
自分がそれに対して“いいイメージ”を持っていることが大切だ。
その目標が、自分にとってどんな意味があるのか、
何のためにするのか、
達成していく過程でどんな成長ができるのか、
達成したときに、誰が喜んでくれるか、どんな気分になるのか。
思う存分、“いいイメージ”を描く。

では、具体的にどのように関わるとそうなるだろう?
それには、質問の力を必要だ。
質問については、こんな言葉もあるくらい。
“よいアイディアは、よい質問から生まれる”と。
次回は、コーチングでよく使う質問をいくつか紹介しよう。

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