「~~だから、できないかもしれない」

このフレーズ、
「~~」に何をあてはめますか?
きりがないほど、たくさんありますよね。

例えば、今の私だったら、
「疲れているから、いつものようにできないかもしれない」
「来週は忙しいから、準備があまりできないかもしれない」
「もう歳だから、新しく覚えるのは無理かもしれない」
などなど。

このように、自分で思うこともありますが、
相手から半ば「決めつけ」られているように、
言われることもあります。

そのひとつに、
「女性だから~~する必要はない」、
「女性だから、~~は無理なんじゃないの」、
というようなこと。

私にもありました。
銀行に就職して2年目の頃、
銀行業務検定試験のテキストを小脇に抱える私を見て、
上司がこう言いました。
「検定試験の勉強しているの? 女性は必要ないんじゃないの?
 料理教室に行ったほうがいいんじゃないかい?」
見事に私にレッテルを貼ってくれました。
彼は何も嫌味で言ったわけではありません。
私のこれからを思って、
彼が大切だと信じていることを
率直にアドバイスしてくれたまでのこと。
それは私にはとても新鮮でした。
というのも、そういうアドバイスを聞くのは、
初めてでしたので。

女性だから、男性だから、
若いんだから、新人だから、
ゆとり世代だから、
そろそろ定年なんだから、
なんて…、関係ないです。

そういうのではなくて、
レッテルを貼ることなく、
自分を一人の「人」として見てくれる人がいる。
一人の「人」として、
今までどんな経験をしてきて、
そこから何を学んできて、
何がしたいと思っていて、
これからどんな人生を歩みたいと願っていて、
その一方で、不安に感じていることは何なのか、
ありのままに見てくれる人がいる。

そういうスタンスで一緒にいる人の前で、
ようやく人は、考えていることを口にだしてもいいんだ、
やってみてもいいんだ、
挑戦してもいいんだ、
自分にもその力はあるんだ、
と、はじめてOKがだせるようになるのではないでしょうか。

かくいう私は、父からそう育てられました。
自営業の一人娘の私に、
将来は会社を継いでほしいと思っていたのでしょう。
過去を振り返っても、
「お前は女の子だから…」と言われた記憶は一切ありません。
学校の友達とのことや部活のことで悩みを相談すれば、
「世の中には我慢しなければならないことも多くある。
 今は修行と思ってそれを学びなさい。」
と諭されました。
進学については、
「これからはバイオが中心になる。理系には興味はないのか」
「英語も話せないと、仕事にならない世の中になるぞ」
自分の力で社会で生き延びられるよう、
知恵を授けてもらったように思います。
努力すれば自分もいいところまできっといく、
という確信は、ここから生まれたと思います。

話が拙著に戻りますが、
だからこそ、読者層として女性をイメージしたからこそ、
「女性だから」なんてことは、
100%とっぱらって自由に書きました。
読んでくれている方と、
お茶でもしながら、ふんふん、と一緒に話をしているつもりで、
一緒にああでもない、こうでもないと
話をしているつもりで。

「~~だから、できないかもしれない」
なんて「さようなら!」です。
自らハンディキャップもつくらない。
仕事も人生も挑戦の連続。
そんな読者の「友だち」になるような本として、
つらつらと書きました。

というのが、拙著タイトルのワケでもあります。

次回以降は、『女性のためのリーダーシップ術』、
いよいよ第一章の最初の目次から、
違った視点で書いてみたいと思います。
Step1 ぶれない「あなた」になる、9つのセルフコントロール
~1 最初に「心の状態」を整える~
ですね。
乞うご期待!

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今日の言葉
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「~~だから~~できない、って思っていることは何?」

本当は軽く簡単にできるのに、
できないと思ってしまっていることはたくさんあります。
ささいなことから、大きなことまで。
もしも、相手から決めつけられたように言われたとしても、
そんなの笑い流してしまいましょう。
自分にどんなレッテルを貼るのかも、
所詮、自分自身なのですから。

※レッテルを貼る
ある人物について、一方的にこれこれの人間であると決めつける、という意味