「部下が自分でもっと考えて行動できるようなってほしい」

上司としてあなたもそう思っているだろう。
経験上、いろいろと知っているのは上司のほう。(大体はね)
しかし、働いていれば時間の余裕はあまりない。
部下が「うーん、そうですね・・・」と眉間にたて皺寄せて考えこめば、
自分のほうが答えを知っているゆえに、
「こういうのもあるでしょ」「こうしたらどう?」
そう一方的に教えてしまって、はい終わり、ということもままある。

なんだか教えすぎているような気がする。
部下が答えをだすまで、
もっと忍耐強く待っていたほうがいいのだろうか?

そのジレンマ、よくわかる。

では、こうしたらどうだろう。
「それはね」と教える前に、
「それについて、私が思っていることを話していいかな」
と訊いてみる。
そう訊ねれば、部下は「はい、どうぞ」と大方言う。
部下は自分でそう言ったことで、
上司が言うことを受け入れる態勢を自らつくれる。
その態勢ができているかできていないかの違いは大きい。
できていなければ、「聞かされている」立場になり、
聞くのが結構しんどくなる。

さて、その次。
あなたがひととおり教えたあと、
また訊いてみるのだ。
「今の話を聞いて、どう思う?」と。
感想を話してもらうのだ。
理解できたところや、まだよく呑み込めないところを
部下が自分の言葉で話せる機会をそうしてつくってあげる。
理解できたところは、
これからどうのように具体的に取り組むつもりなのか、
それをまた訊いてあげる。
よく呑み込めないところがあれば、
何がそうさせているのかをまた訊いてあげる。
ここに至るまでの時間、おおよそ三分くらい。
それくらいのショートな時間でよい。
短くても、密度が濃い時間。
それを部下と毎日毎日する。

それでも、部下が「うーん」とすぐに答えがでないようであれば、
「今日の夕方、教えて」「明日、この会話の続きをつくろう」、
そのようにして、次につなげる。

ただ、ここでもすぐ答えや結論は求めないで。
初めからあなたが期待するような答えは部下からでてこない。
しかし、それを続けていくうちに、
ある日突然、あなたが「ほぅ、そんなことを考えるようになったか」
というアイディアをぽつりぽつり部下は言うようになる。
それを信じて。

教えながら、それでも部下には考える人になってもらいたい。
そのためのポイントは、次の5つ。
 ・「私が思っていることを話していいかな」と
   部下があなたの話を聞く態勢をつくる。
 ・ひとしきり話したら「今の話を聞いてどう思う?」
  と、感想を話す機会をつくる。
 ・部下が理解できたところ、理解できていないところを明らかにする。
 ・会話はそれで終わり、ではなく、次回にまた機会をつくる。
 ・会話の時間は三分間を目安に。それくらいの短い時間で構わない。

教えることもとても重要。
しかし、教えるだけで終わっていたら、
部下はあなたという器の範囲内でしか成長しない。
いつか、あなたを超える人になる。
近い将来、あなたをサポートしてくれる人になる。
部下をそんな人にできるかどうかは、あなたの腕次第。

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