情けない体験は数しれど、
ひとつは、これ。
後継者の立場で働いていた頃、
おもむろに新人に訊かれた。
「猪俣さんのビジョンは何ですか?」
ああ、しまった・・・! と思った。
そうなのだ、ビジョン。
私のビジョン?
模索していたのだ。ちょうどその時。
お客様から信頼される会社にしたい?
→きれいごとで、ピンとこない
印刷を頼むんだったら、うちの会社って言われるようになりたい?
→当たり前だ。ビジョンというよりも結果としてそうなるような・・
あの当時の私は、自社の商品、印刷の価値に対して、
本当の意味で夢を持てていなかったのかもしれない。
だから、痛いところをつかれた・・・というのが
本心だった。
しかし、その新人は決して、
嫌がらせをしたいと思って聞いたわけではない。
純粋に関心があったのだ。
上司の猪俣さんは何を描きながら、仕事をているのかな、と。
そして、自分もそのビジョンを一緒に叶えていきたいな、と。
そんなふうに自分を役立てたいな・・・と。
で、その後どうしたか。
印刷でお客様の豊かな繁栄に貢献する
というビジョンを描いたものの、
組織にそれが浸透できたかというと、あまり上手くいかなかった。
今振り返るとわかるのは、
他の社員にとっては、魅力的なビジョンではなかったのだ。
何せ、みんなで一緒につくったわけじゃない。
私が一人で創ったものでしょ、という、
スローガンにしか聞こえなかったのかもしれない。
さて、印刷会社の話はここまでにして、
何もそんなに大上段に構えずとも、
魅力的なビジョンは世間に多くある。
例えば?
NHKの連続テレビ小説『あさがきた』のプロデューサーのコメント。
あさが来ると、新しい世界が始まる。
そんな社会を明るくするようなドラマにしたい。
見た人が、その日一日、
元気に明るい気持ちで過ごせるようになってほしい
日曜劇場『下町ロケット』同様にプロデューサーのコメント。
このドラマを見て、
明日、仕事を頑張ろう、という気持ちになってもらえれば嬉しい。
UCC上島珈琲 社長 上島氏
コーヒーでもってお客様を喜ばせたい、驚かせたい
九州パンケーキ 社長 村岡氏
九州のがんばる農家を支えたい
など。
とてもシンプルなメッセージだけれども、共感できないか?
読んでみると、自分も一緒にそのビジョンにのっかりたい、
そんな気持ちさえ起きてくる。
組織に浸透しているのは、
ビジョンなのか?
それとも、スローガンなのか、目標なのか。
ビジョンは発信側の周囲の人たちの思いさえも
一緒に包み込むようなパワーがある。
今の私のビジョン?
一人ひとりが自分の物語を自分で描けるように。
どんな仕事をしていようが。
どんな環境にいようが。
毎日、希望をもって生きてほしい。
研修の仕事、コーチングの仕事の目的はそれだ。
あなたのビジョンは何?
あなたの言葉でどれくらい語っている?
印刷会社で働いていた私のような受け身でいないで。
どんどんあなたから、あなたのビジョンを発信してほしい。
語りながら、修正し、
修正しながら、さらに語る。
そのループあるからこそ、
さらにビジョンは魅力的に輝くから。
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