先日、お礼のハガキが届いた。
研修に参加した方からだ。
そこには、
「人間関係で知りたいことが学べた。
 ありがとうございます。
 早速、会議で試しています。
 猪俣さんの本も読んでいます。
 これからもご活躍を祈念いたします」
というような内容だ。
一つ一つの字のそれこそ「はね」の部分に至るまで、
丁寧に時間をかけて書いてくれた様子が感じられる。
「今の若い人は・・・」と諫める言葉などよく聞くが、
いやいや、やっぱりそれは人次第。
彼のような20代だって、
こんなに礼儀正しい人はいる。
その時の研修参加者は14名。
さて、もしも彼ら彼女らが私の部下だとしたら、
お礼のハガキをくれた彼には、
やはり目をかけたくなってしまう。
面倒をみたくなってしまう。
というのが人の心というものだ。
平等でありたいとは思っても、
心はどうしても揺れてしまう。

しかし!
やはり、「気の合う部下」「目をかけたい部下」
「かわいい部下」が現れたら、
ちょいと注意してみよう。

というのは、かつて私はこんな経験をしたからだ。
印刷会社で後継者として働いていた時、
20代の女性の部下から、こう言われた。
「猪俣さんはYさんにはあまいです。
 同じミスしても、私には厳しいです」
驚いた。
自分ではそんなつもりはなかった。
が、よくよく振り返れば、
そう言ってきた彼女よりもYさんのほうが何かとスピード感があい、
仕事のやりやすさを彼女よりも感じていた。
それが、日頃の部下に接する態度に違いとしてでていたか・・・。

ここで、学んだことがある。
それは、部下は上司の一挙手一投足を
それこそつぶさによく見ているということだ。
ほめるにしても、
叱るにしても、
注意するにしても、
仕事の割り振りについても、
仕事以外の会話の時でも、
上司の振る舞いをよくよく観察しているし、
雰囲気からも、いろいろなことを感じとっている。
自分と他の人への接し方が平等でない、と感じれば、
それは上司への「不満」となり、
日がたつごとに徐々にふくらみ、
やがて爆発することも十分ありえる。

やはり、部下一人ひとりには、
平等に接したほうがよいのだ。

だから、
「よくできた部下だ」など目にかけたくなった時は、
自分がそういう気持ちになっていることに、まず気がつこう。
それだけで、まず十分。
その状態に気がつきさえすれば、
自分の行動や言動や感情はコントロールできる状態になる。
その部下に多少なりとも目をかけたとしても、
他の部下の不満の種とまでならない。
平等に、平等に。
上司というのは、なかなか大変なのである。

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