管理職の友人がぼやく。

「若い女性の部下なんだけどね・・・」
何かありそうだ。
「どうしたの?」
「朝、もう少し早く来てほしいんだよね。
 そう言っているんだけど、いつもぎりぎりなのよ」
「部下にどんなふうに言っているの?」
「『もうちょっと早めに来てくれると有難いんだけど』って」
「それじゃ、伝わらないんじゃないの?」
「えっ、そう?」
「そうだよ。『もうちょっと』って、どれくらいで『もうちょっと』なのか
 人によって受け止め方がまちまちじゃない」
「うーん。確かに」
「何時に来てほしいの?」
「始業時間10分前には来てほしいかな」
「だったら、
 『始業時間10分前、〇時〇分には机に座っているようにしてください』って
 それくらいはっきり言わないと、伝わらないんじゃないの?」
「そこまで言うんだ・・・」

そうなのだ。
「察してほしい」という気持ちの表れなのか、
「はっきり言う」ときつくとられてしまうと怖れているのか、
表現があいまいなリクエストや指示になっている人が多い印象がある。

他には?
例えば、「なるべく早めにやってね」というのも、
一体どれくらいの時間感覚なのか、人によって異なる。
「朝いちばんに送ります」の「朝いちばん」というのも、曲者だ。
一体、何時を指しているのだろう?

研修会場でこんなことがあった。
「今日の参加者は、
 猪俣さんのことを知っている人がたくさんいますね」

たくさん?
疑問に思い、確認した。
「ああ、あの方とあの方のことですか?」
「そうです」
事実は「22名の参加者のうち、2名が私のことを既に知っていた」だが、
それを「たくさん」と表現されているわけだ。
10名くらいをさしているのかと思った。
確認してよかった・・・。

というようなことが、日常茶飯事に起きている。
いや、起こしているかもしれない。

いつでもどこでも、「はっきり、くっきり」といっているのではない。
特に指示や要望をするときは、
お茶を濁すようなあいまいな表現でなく、
はっきり、くっきり、表現しよう。
それがなかなかできないというのであれば、
自分の何がそうさせているのか、振り返ってみよう。
先に書いたように、「きつく受けとめられてしまうのではないか」、
「問い詰めているように感じられてしまうのではないか」、
「やる気をそいでしまわないか」、
など、関係が悪くなってしまうことを恐れている。
しかし、怖れていることは起きない。
絶対に起きない。
はっきり、くっきり、表現する人を、
部下やメンバーは求めているし、信頼を寄せるものだ。

・・・・・・・・・・・・

◆コーチング「実践! リーダーシップトレーニング」のご案内
あなたらしいリーダーシップを見つけ、
発揮できるようになる、
3ヶ月間全9回のマンツーマントレーニングです。
部下やメンバーのやる気はどうしたら育つのか、
どうしたら目標達成に向けて行動がおきるのか、続くのか。
その答えが見つかる三ヶ月間になるでしょう。
コーチ、つけてみませんか?
詳細はこちらをどうぞ。