(前回からの続きです)

Aさんは、続けて教えてくれました。

「他には、こんなこともありました。
 母親が入院したという部下のことが気になって、会議が始まる前に、『お母さんの調子はどう?』と声をかけてみたんです。
 そしたら、『覚えていてくれたんですか。
 少し話しただけだったのに、気にかけてくださってありがとうございます』とすごく喜んでくれて、なんだか照れました」

そうしているうちにも、Aさんから催促しなくても部下から報告してくれるようになり、しかも改善に向けての提案が多くなっていったそうです。
部下の状況が把握できるようになったことで、以前よりも楽に仕事をお願いできるようになったとおっしゃっていました。

私自身、かつて印刷会社で働いていた時は、誰と何回話したかを「正」の字にして記録していました。
それだけでもわかることがあったのです。
「あの部下」とは、しょっちゅう話をするけれど、最近「この部下」とは、朝と退社の挨拶以外は話をしていないな、のように。
周りの人との関係がよく見えるようになりました。
それを参考に、今日は「この部下」に声をかけてみよう、話題は何にしようかな、どんな質問をきっかけにしようかな、など一人ひとりをよく考えるようになりました。
こうして部下ととっているコミュニケーションの量にばらつきがないように出来たことは、とてもよかったと思います。
そういう公平なスタンスを部下を含め周囲に示すことは、上司として信頼を得るうえで重要なことです。

「人の名前を全然覚えていない」
「この前も同じことを聞きましたね」
なんて部下から言われない、そういう上司でいましょう。

ものは試し。
あなたもノートを一冊用意してみませんか?
スケジュールやタスク管理のためだけでなく、部下との会話をマネジメントするために。
部下から揺るぎない信頼を得られる「あなた」になることでしょう。

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