コーチング研修で、デモンストレーションをした時のことだ。
威圧的で指示命令型上司と、
コーチ型スタイルの上司。
それぞれの部下との会話の場面を再現する。

コーチ型スタイルでは、次のように演技する。
 ・自分から部下に歩み寄る
 ・表情をにこやかに、部下と視線を合わせる
 ・足組み、腕組みしない
威圧的な指示命令型上司の時は、その逆。
デモンストレーションを見た受講者からは、
概ね次のような感想がでる。

コーチ型スタイルの上司のほうが、
断然話しやすいし、やる気がでる。
やらねば、ではなく、やろう! という気持ちになれる。
それだけでなく、いい内容のものを仕上げようとまで思える。

いいことばかりかと思いきや、
次のような感想がでることもある。

「そんなことをしたら、部下になめられますよ。
 そんなに気を遣う必要ないと思います」

なめられる・・か。
思い出したことがある。
以前、印刷会社で働いていたとき、
社長の父が私を心配してよく言っていた。

「仲良くなるのはいいが、
 なめられないようにしないとだめだぞ」

大丈夫と笑って返していたが、
これは男性ならではの視点だろうか?

休憩時間に、その方と少し話をした。
「うちは、男性が多い職場なので。
 なめられないように、
 わざと威圧的な態度をとるのも大切なんです」
そう言う彼はまだ20代。
一体、どういう職場なのやら。

彼に伝えた。

「職場で何をどうすればよいのか、一番わかっているのは、
 〇〇さんですから、研修で学んだことを何をどのように活かすかは、
 〇〇さんが選べばいいと思います」
こんなことを言われるとは思っていなかったのか、
彼は、素直にこくりと頷いた。

「でも、大切なのは、同じことをしても“なめられる人”と、
 “なめられない”人がいるとしたら、
 その違いって何だと思いますか?
 どういう人が“なめられる”と思います?」

彼は「あっ・・」と、少しのけぞって、そして言葉をのんだ。
心当たりがあるのだろうか。
「思い当たるところがありそうですね」
「はい・・・」
「大切なのは、そこなんじゃないですか」
「そうですね・・・」

相手が“なめている”としたら、
それはこちらの態度や振る舞いなど、表面的なものではないだろう。
もっと本質的なものを感じてのことだ。

“なめられる人”ってどういう人だろう?
この答えを考えて考えてでた答えこそ、
自分の軸になるもの。
考えてみよう。
自分なりの答えを自分で導きだしてみよう。

・・・・・・・・・・・

◆コーチング「実践! リーダーシップトレーニング」のご案内
あなたらしいリーダーシップを見つけ、
発揮できるようになる、
3ヶ月間全9回のマンツーマントレーニングです。
部下やメンバーのやる気はどうしたら育つのか、
どうしたら目標達成に向けて行動がおきるのか、続くのか。
その答えが見つかる三ヶ月間になるでしょう。
コーチ、つけてみませんか?
詳細はこちらをどうぞ。