まず小さな一歩!
こんなことをやってみました。
とにかくTさんの真似をしてみるか、と。

「猪俣さん」と声かけられたら、
「さーて、今度はどんな問題がでてくるのかな?」と
楽しみながら「はい!」と明るく返事をして、
相手に顔と身体を向ける。
それも笑顔で。
一回深呼吸をしてから、
目の前の人とのやりとりに集中する。
上の空で話しを聞かない、ということを徹底しました。
もしもその時に話を聞くだけの十分な時間がなかったら、
「ごめんなさい。2時にお客様と約束していて
 もう出かける時間なんです。
 4時には帰ってきますから、
 それからゆっくり聞かせてくれませんか?
 いかがでしょう?」
そして、帰社後に必ず話を聞く時間をつくるようにしました。
「あなたの話を落ち着いてじっくり聞きますよ」という姿勢を
社員全員に見せ続けました。
一日、一日、また一日と・・・。

2ヵ月くらいで、ある変化がおきました。

私「Sさん、そろそろ色校正の段階ですね。」
Sさん「インクの量に気をつけて、ムラがでないように
    気をつけてみるよ。
    何かあったらIさんに聞いてみるから大丈夫だから」

Iさん「猪俣さんにこの前教えてもらったようにやってみます。
    猪俣さんはお客さんのところに行ってきてください」
私「ありがとう!助かるなあ。それじゃ、行ってくるね」

またある時は、お客様先から会社に戻ると、
若手のAさんから、このような報告を受けました。
「猪俣さん、印刷の版に文字化けがあったので
 出力センターに再出力をお願いしておきました。
 仕上がりが3時予定だそうですので、
 Oさんに取りに行ってもらうよう既に伝えてあります」
なんて機転がきくのでしょう!

のちほど、ベテラン社員の方がこそっと教えてくれました。

「猪俣さんは忙しいでしょ。毎日遅くまで仕事しているし。
 そういうなか時間をつくって話を聞いてくれている。
 だから自分たちでできることは自分たちで考えて進めよう。
 本当に判断に迷うところは猪俣さんに聞こうって、
 この前、皆で話し合ったのよ」

驚きました。
いつの間にか、社員は私に頼ってばかりではなく、
自分自身で考えて、
責任をもって行動していこうという雰囲気ができていたのです。
しかも以前よりも、
随分一人一人が活き活きと働くようになりました。

私がしたことは、
ただ冒頭のTさんの真似をしただけです。
一人の影響は、
みるみると組織に広がっていく。
そのことを強く実感しました。

きっと、あなたの周りの部下たちも、
あなたがそうしてくれることを待っていることでしょう。
そのことは、あなたが望む結果に向けて、
大いに効果があることは間違いありません。

やっぱり、聞き上手に敵うものは・・・、
ありませんね。

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