ある企業からコーチングを導入する際のエビデンスを教えてほしいと言われ、
久しぶりにある本を開いた。
『幸福優位7つの法則~仕事も人生も充実させるハーバード式最新成功理論』
著書はショーン・エイカー。
ポジティブ心理学の第一人者の一人だ。

書籍の内容から、
ひとつ、ここでも紹介しよう。
(P264~)

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職場での人間関係にいい感情を持っていればいるほど、
人は能力を発揮することができる。
たとえば、ある金融サービス会社の60支店で働く
350人を対象として行われた研究では、
チームの業績の良さは、
メンバーが互いをどう思っているかということに影響されるという結果がでた。
これは特にマネジャーにとって重要な事実だろう。
マネジャーは、チームに配属されてくる社員の履歴や技能に関しては
どうすることもできないが、
メンバー同士のつながりや信頼関係なら、自分の力が及ぶからだ。
研究によれば、
メンバー同士の仕事以外のつきあいを奨励したり、
直接顔を合わせる機会を増やしたりすると、
帰属感が増し、活力が高まり、
長時間仕事に集中できるようになるという。
つまり人間関係に投資すれば、
仕事の成果が上がるのである。
業績や仕事に対する満足感を高めるのに、
人との関わりは必ずしも深いものでなくてもいい。
組織心理学の研究によれば、
たとえ短時間のふれいいでも「上質のつながり」になる。
そういう上質のつながりは、
心を開かせ、活力を増し、同僚同士の信頼を強め、
その結果たくさんの計測可能な成果の向上につながる。
ミシガン大学ビジネススクールの心理学者で、
このテーマの専門家であるジェーン・ダットンは、
「どんなふれあいも、上質のつながりになる可能性がある。
 ひとときの会話、一通のメールのやりとり、
 会議中に感じられる心のつながりが、
 双方に気力の充実を感じさせ、
 足取りを軽くし、行動の幅を広げる」と。

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そういえば、先日、ある方がこんなことを言っていた。
「今の営業所にくる前の職場は、ほんとうによかった。
 一緒に働いている人がよかったと思うけど、
 毎日、行くのが楽しみだった。
 仕事が楽しかった。
 上を目指そうと自然に思った。
 だから、今の職場でもあの時の職場のように、
 せっかく縁あって働いているのだから、
 一人ひとりのつながりがもっとできるように、
 サポートしていきたい」と。

で、どんなふうに?
となってくると、
良質な関係をつくる技術でもあるコーチングの登場になるわけだ。
人間関係という見えないものに投資する。
真剣に全社員で取り組む時期だ。
いや、取り組まねばならない時期になっているとさえ思う。