前回の続きを早速書こう。
答えは、想像の通り。
5人中4人が「紅葉」の名前のほうが美味しいと判定。
別の5人で試してみても、結果は同じ。
中身は同じはずなのに、
なぜ味の感じ方に違いがでるのだろう?

これを心理学ではプライミング効果というそうだ。
頭の中に浮かべるイメージにあうように
物事を解釈していく傾向が私たちにはあると言われている。
同じ和菓子であっても、
「ドスエボール」という名前のイメージにあう味わい、
「紅葉」という名前のイメージにあう味わいに、
脳の中で変化してしまうらしい。

コトバの私たちへの影響力の大きさたるや、
なかなか捨ておけない。

他にこのような心理学の実験結果もある。
『モチベーション大百科』によると、
アメリカのある病院で行われた実験で、
大変興味深いものが紹介されていた。

Aチームの被験者の前には、
「危険」「不可能」「無理」などのネガティブな言葉が
数分ずつスクリーンに映し出される。
方やBチームの被験者の前には、
「できる」「可能」「価値がある」などのポジティブな言葉が
数分ずつスクリーンに映し出される。
そのあと唾液を採取して、ホルモン量を測定した。
結果、Aチームはコルチゾールが上昇し、
Bチームはコルチゾールが減少した。
コルチゾールとは、
ストレスを感じると分泌されるホルモンだ。
コルチゾールが増えすぎると、
肌や細胞の老化、肥満、うつ病の原因になる。

ここから読み解けることは何だろう?
つまり、
触れる言葉、使う言葉によって、
ストレス量は変化するということだ。

言葉が脳に与える影響は、
まずその言葉にセットされる出来事をイメージさせるだろう。
そして、そのイメージには、
間違いなく感情もセットされている。
どのような感情を呼び起こす出来事なのか。
喜び? 楽しみ? 嬉しさ?
それとも、悲しみ? 悔しさ? 恥ずかしさ?

自分がよい状態であるために、
穏やかな心の持ちようでいるために、
事実を前向きに建設的に捉えられるようになるために、
言葉を選ぼう。
使う言葉、表現する言葉、話す言葉、頭に浮かべる言葉、などなど。

モチベーションをマネジメントする?
灯台下暗し。
とっても簡単で、とっても身近で、
今からすぐに使えること。
自分が使う言葉をマネジメントしよう。

モチベーションは、誰からか与えられるものではない。
自分ができることは、
自分が思っている以上に実はたくさんある。

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