6月22日(金)の日本経済新聞に興味ある記事が載っていた。
仕事「人並で十分」61%。
以下、このような内容だ。
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「働き方は人並みで十分」。
今春の新入社員を対象に実施したアンケートで、
こう答えた新人が過去最高の61.6%に上がったとの結果を
日本生産性本部などが21日、公表した。
2013年度以降、増加傾向が続いている。
「人並以上に働きたい」は
今回、31.3%にとどまり、2倍近い差がついた。
今年3~4月、生産性本部が主催した研修に参加した企業の社員を対象に実施し、
1644人から回答を得た。
調査担当者は
「ブラック企業が問題となるなど、
働くことにネガティブな意識が持たれているのではないか。
意欲が後退している印象」と分析した。
アンケートで、「若いうちは自ら進んで苦労する気持ちがなくてはならないか」
との問いには、「進んで苦労すべきだ」が47.1%を占め、
「好んで苦労することはない」(34.1%)を上回ったものの、
その差は11年度から40%近く縮まった。
(中略)
日本生産性本部の研究員は、
「日本の企業は、若い世代に夢を持たせることも必要ではないか」と
話している。
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さあ、上記の内容、あなたはどう解釈する?
そして、あなたの部下育成にどう活かす?
夢を持たせるねぇ・・。
そういえば、私が新人の頃、
そういっても、もう30年も前のことなので、
昔も昔だが、思い当たる節がある。
それなりに就職難だったあの頃、
銀行に就職叶い、
先輩たちのようになりたいと心弾んでいた私は、
ことあるごとに先輩に訊いていたものだ。
「この銀行でどうなりたいんですか?」と。
わくわくしながら答えを待った私に、
返ってきたのはこうだった。
早く辞めたいわよ。
耳を疑った。
こんなに仕事ができる人たちなのに?
辞めたいと思いながら働いていて、
こんなに仕事ができるって、どういうことなんだろう?
謙遜しているのか?
頭は疑問符だらけになったが、
先輩たちはどうやら未来に夢を感じていないようだ。
それだけは、ほぼはっきりした。
少しがっかりしたが、
だったら、ここで働くことに夢が感じられるように、
そんな場にしていきたいと思った。
その時からひそかに、
いつかは人事で研修の仕事がしたいと思うようになっていた。
今は、退職するまで一社にずーっといるという感覚は、
随分と薄れてているだろう。
それでも、「こんな大人になるのも悪くない」と、
若い世代が思えるような未来を見せてあげたいものだ。
ところで、上記のアンケートに対し、
ちょいといじわるな見方をしていいだろうか?
研修受講した新人にとったアンケート結果だという。
ということは?
その研修を受講したうえで、
「人並の働き方でいい」とか、
「好んで苦労することはない」という答えになったのだから、
そういう感想に至るような研修内容だったということ?
ではないのか?
最も知りたいのは、
どうしてその答えを選んだの? だ。
そこにこそ、新人たちのもっと真実に近いものがある。
その理由を知ると、もしかしたら、
「おー、そんなことを考えていたのか。
私があなたの年だった頃より、ずっと大人だね」
なんてこともあったりして。
数字の結果は、あくまでも参考に。
数字の結果を鵜呑みにはしない。
血の通った人そのものこそ、真実はあるから。