プレゼンスって?
見た目? 話し方?
それもあるだろうが、
ここでは、その人の存在、存在感、
影響力を総称してプレゼンスと言ってみよう。
何を言うのか
ではなく、
誰が言うのか
その「誰」というところを、
私たちは、実によく周囲から観察され、
「人」としてどうなのかを見定められている。
もちろん、私たちだって、
部下や同僚や上司など、周囲の人をさりげなく見たり、
感じとったりしては、この人ってこんな人だな、と判断している。
例えば?
ある人が、上司から注意され、ふてくされていたとしよう。
そういう人をどう思うだろう?
人の意見やアドバイスをあまり聞けない人、
と思うかもしれない。
そして、もし自分がその人にアドバイスをする時には、
言葉の使い方に気を付けよう、
なんて思うかもしれない。
他には、ある人が、
お客様からの電話をガチャン! と
音をたてて受話器を置いたとしよう。
いらついているのかな? と
一瞬にして緊張がはしるのではなかろうか。
普段はにこやかなのに、
実はイライラしやすい人なのかもしれない、
と思うかもしれない。
同じように私たちも、
一挙手一投足、実によく周囲から見られていることを
十分意識したほうがよい。
表情、振る舞い、使っている言葉、
人の話を聞いている時の様子・・・など、
全てだ。
会社員だった頃、
自分のリーダーシップはどうなのだろうと、
女性の部下に訊いたことがある。
すると、驚いた答えが返ってきた。
「猪俣さんは、愚痴が多いです」
「え? 愚痴?」
「はい。お客さんのこととか」
お客様のこと?
なるほど、あれを彼女からしてみれば愚痴と聞こえるのか。
それは、支払いが滞るお客様や、
納期に遅れがちのお客様について、
「約束を守られないのはほんとうに困る。
仕事をいただいても、また遅れることがあるのかと思うと、
ちょっと負担に感じる。
お客様とはいえ、こちらのことも考えてほしい」
と、経理担当者に話していたことがあったっけ。
確かに、お客様のことをあれこれ言っているわけだから、
部下からすれば、嫌な気持ちになっただろう。
私は全くそんなつもりはなかったのだが。
周囲にとってみたら、
私はネガティブに感じる言葉を発していた・・・ということだ。
なるほど。
聞いてみないと気づけない。
しかし、このエピソードの確信は次なのだ。
それから、彼女はとっても言いにくそうに、
もじもじしながら言った。
「愚痴が多い人に、ついていきたいとは思えません・・・」
最後はまるで蚊がなくようなトーン。
それ故、真実として迫ってきた。
何かあったら、猪俣さんに聞けば何とかなる、
そんな頼りがいのあるリーダーでありたいと思っていたが、
全くそれとはかけ離れていた事実に気づいた。
それまで私は、社員と話している時に、
どれくらいちゃんと正しい見解や判断をしているかを大切にしていた。
しかし、それよりも重要なのは、
直接話しをしていない時のほうだったのだ。
その時に、自分が話していること、どのように話しているか、
振る舞っているかで、
リーダーとして私がどれくらい信じられる人なのかと、
試されていたのだなとわかった。
彼女もよくぞ言ってくれたものだ。
「ありがとう」とお礼を伝え、
とにかく変わることを決めた。
自分の存在感や、今、どのような影響を与えているのか、
与えたいのかを真剣に考え、行動するよう意識した。
もちろん、愚痴と思われる言葉は、
口にしないようにした。
その代わり、ポジティブに聞こえる響きをだすようにした。
感謝やねぎらいなどの言葉などを。
なんてことを意識するようになったら、
不思議なことに周りが変わった。
若手からベテラン社員に至るまで、
何かと私を励ましてくれるようになったのだ。
しかし、こんな失敗ある故、
今日のブログではこのタイトルで書いた次第。
見られている自分を意識して、
自分を伸びやかに魅せる。
そして、信頼を周囲から得て、
周りの人とともにビジョンを実現していく物語を
活き活きと描き、現実のものにしていく。
これを読んでいるあなたには、
是非、よりそういうことができる人になってほしい。
プレゼンス、今日からさらに意識することで、
あなたのリーダーぶりに磨きがかかったら、嬉しい限りである。
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