コーチングを学ぶ前の私は、
自分がしてもらって嬉しいことは
相手も嬉しいと信じて疑っていませんでした。
「ほめられれば誰だって嬉しい」と。

本当は相手が受けとりやすい「ほめ方」も
十人十色なのですが、
「すごい! さすが!」と大げさなくらいに、
拍手するほどの勢いで返すと、
どんな人でもモチベーションが上がるものと思っていました。

会社員時代は、
「私ってほめ上手だわ」などと一人悦にはいる始末。
相手の反応は決まり悪そうだったとしても、
きっと「照れているからだ」と
いいように解釈していました。

しかしあるとき、
その前提を覆すことが起きました。
若手社員の一人が居心地悪そうに、
こう言ってきたのです。

「猪俣さん、みんなの前でほめないでください。
 ああいうふうに大げさにほめられると、
 また同じような結果をださなくちゃいけないと、
 すごくプレッシャーになるんです」

「えーっ!?」
驚きと混乱。
今まで心の底からいいと思ってやっていたことが
そうではなかったとは・・・。
つくづく、ほめるって難しいと実感しました。

ところで、コーチングスキルの代表的なスキルに
「承認する」というものがあります。
コーチングにおける「承認」とは、
相手がそこに存在していることを認め、
相手に現れている以前との違いや変化、
成長にいち気づき、
それを言葉で相手に伝えることです。
「承認」は相手にとって、
これからの行動に向けての大きなモチベーションになります。
さらに、
相手がまだ気付いていないようなことを
先に察知して伝えると、
より効果的な承認になります。

私はこの「承認」ができていないと思いました。
できているところをありのままに受け入れ、
事実を伝える。
それは、ほめる、おだてるということとは全く違うのです。
頭ではわかっていますが、
日常生活でこのスキルを使うのは思いのほか苦戦しました。
一緒にコーチングを学ぶ仲間からも、
「それは承認じゃなくて相手への評価だよ。
 上から目線に感じるよ」
そんなフィードバックをもらいつつ
試行錯誤の日々でした。

ですが、ある出来事で、
「これだ! こういう承認ができるようになりたかったんだ!
 できた!」
ということが起きたのです。
それは・・・。
(「後半」に続きます)

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