IT業界に勤務する30代半ばの女性。
会社から管理職になるべく打診をされている。
本人はまだ迷っている。
「女性だからって、下駄を履かされている。
私はみんなを引っ張っていくタイプではない。
女性の管理職はうちの会社にもいるが、
ああはなりたくない。
朝早くから出社して仕事をしている。
そんなふうに働けない」
まるで、にべない言いよう。
要するに、「私はなりたくない」ということ。
やりたくなければ、やりたくない、とはっきり意思表示すればいいものを
あいまいなままにしているので、
会社側も本人もストレスを感じる状況になってしまっている。
どうしたら、
女性が自分からリーダーや管理職になりたくなるだろうか?
それに関して、やっばりなと思うことがあった。
ある美容院のスタイリストさんと話しをしていた時のことだ。
そこで働いている感じのよい女性スタッフの話題になった。
彼が彼女にかつてこんなことを聞いた。
どうして美容師になりたいと思ったの? と。
彼女はこう答えたそうだ。
「お母さんが美容師だったので」
なるほど。
それはそうだが、母親が美容師であることが、
どうして美容師になりたい理由になるのだろう?
そう聞くと、彼女はこう言ったそう。
お母さんがキラキラしていたんです。
だから自分も美容師になりたいと思ったんです。
自分もキラキラしていたい。
自分もこの人みたいになりたい。
人の願いや思いはやはりここにあるのだ。
さて、話題を戻そう。
会社の中はどうなっているだろう。
管理職やリーダーになってほしいと思っている女性の周囲の人たちは、
どのように働いているだろうか。
部下たちから「この人みたいになりたい」と思われているだろうか。
それとも、「こんな人にはなりたくない」と思わせていないだろうか。
もしくは、「とてもじゃないが、この人みたいにはなれない」と
思わせていないだろうか。
リーダーや管理職になることは、大変なことなんかじゃない。
私もいずれはリーダーや管理職になって、
活き活きと輝き、仕事も生活も充実した人生を送りたい。
そう明るい未来を本人たちが描ける環境を
どれくらいつくれているだろうか。
リーダーや管理職になると、
なんだか自分のなりたい自分になれそう、
かっこいい、素敵、私もそうなりたい。
そんな夢を彼女たちがどれくらい持てているだろうか。
女性のリーダーや管理職を自社内で増やしたければ、
一緒に働いている身近な管理職やリーダーが、
本人たちのモデルになるようにアプローチしていくのが、
結局のところは「急がば回れ」なのだ。
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