「思ったことは、はっきりもの申す人」の私だが、
それでも、「言わない」ことを選ぶ場面だってある。

先日もそういうことがあった。
仮にTさんとしよう。

「私が話したことに対して、そういう感想?
 話を聞きながら、別のことを考えていたんだな。
 聞き上手の振りしていも、バレバレだ。」
「こちらが主張すると、被害者意識にある人とラベリングするのか。
 なるほど」
「打ち合わせをしている時に、スマホでメールの返信を目の前でするんだ。
 へー!?」
こんなやりとりを積み重ね、
Tさんはこういう傾向のある人だな、というのは、
少しずつ私の中にはっきりしてくる。

結果、
「Tさんに、そのコミュニケーションの取り方は・・・、と
 フィードバックしても効果はないな。 
 伝えたところで、もめそうな感じがするし。
 お互いによりよくなっていくためにと、
 Tさんが自分の言動を振り返るなんてこともないだろうしな」
そう直感が働けば、思うことがあっても言わない。
言わないことを選ぶ。

そうしてTさんは、私含めて周囲から、
自分がよりよくなっていくための情報をもらうチャンスをなくしていく。

何もTさんに限ってのことではない。
自分にだってあるはずだ。
私の周囲にいる人たちだって、
私に対して感じるところはあっても、
全てをフィードバックしているわけがない。
だから、自分の行動や言動が周囲にどのような影響を与えているか、
自身を客観視することは大切だし、
何よりも、何のためにどのような影響を周囲に与えたいのか、
それがはっきりしていることも大切だ。

だから、研修で必ず伝える。
「周りの人にフィードバックをもらってきてください」と。
リーダーとしての在り方についてでもよいし、
日頃のコミュニケーションの取り方についてでもよい。
もっと具体的に、聞き方についてはどう? というのだってよい。
このグループやチームでよりよい結果を全員でつくるために、
自分の振る舞いで機能していないところがあったら、
改善したいと思っているので教えてほしいのか。
あなたとともに、より幸せな生活を送りたいからなのか。
フィードバックをどのように活かしたいのかの目的も合わせて。

偉そうに書く私だが、夫のことがふと浮かんだ。
常々「何か私にリクエストない? フィードバックない?」
と訊くが、都度かえってくる答えは、
「ないよ」だ。

ない? とな?

もしかしたら、彼にとっては、
私は既にTさんのような存在なのか?!
あきらめられているのか?!
・・・かもしれない。

人の振り見て、我が振り直せ。

自分という存在は、
どれくらい相手がフィードバックを自由にできる人になっているのか。
そう常に問うことこそ、
相手から信頼に足る人になる確実な一歩となる。

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