管理職にある友人。
管理職ならではの悩みといえば、
期待どおりに動かない部下のことだ。
何度同じことを指示しても、
同じような注意をされる結果になるらしい。
じれったくなるね、と共感した。

が、あることに気づいた。
その友人と話していると、
私が話しの内容を確認なすることが度々あるのだ。
「え? 誰が? Aさんが言ったの? それともBさん?」
本人の中では物語は成立しているのだろうが、
文章に主語が抜けている故、
話しの展開がわからなくなることがあるのだ。

もしかして・・。
部下が指示どおりに動かないというのは、
友人の指示内容がそもそも伝わりずらいのではないか?

「どんなふうに部下に指示しているの?」
「朝はもう少し早く来てもらえると助かるな、とか」

なるほど。やっぱり。
「その指示だと伝わらないよ。
 もう少し早くって、何時に来てほしいの?」
「始業開始時刻10分前かな」
「だったら、時間ではっきり伝えないとわからないんじゃないの?」
「ああ、そうか・・・」

そうなのだ。
相手がこちらの思い通りの行動をとっていない時は、
不愉快に思う前に、次のことを振り返ろう。
相手にこちらの意図が伝わっていながら、その行動なのか。
それとも、そもそも伝わっていないのか。
後者であるなら、手のうちようはある。
手のうちようの一つが、あいまいな表現ではなく、
はっきりした表現で伝えること。

 早めに、積極的に、思いやりをもって、
 リーダーらしく、頑張って、先をよんで、全体をみて、
 きちんと、サポートして、意識して・・・

云々かんぬん、これらのように言われても、
何をどうすればいいのか、相手によって解釈は様々になってしまう。
こちら側としては、
そのあたりは察してほしいと思うだろう。
しかし、そう思うとしたら、どうしてそう思うだろうか?
具体的に言うことがそもそも面倒だから、省略したい?
具体的に言うことで、細かい人と思われるのを避けたい?
具体的に言うことで、何かを明るみにさせることを怖れている?

今の困ったと思う状況をつくっている要因が
自分にもあるとしたら、それは何?
自分にもあるとしたら、
それはどうにでも変えられる。

あいまいな表現で、物事をあいまいにしていないか。
そんな些細なところが、実はすごく大事。