(前編からの続きです)
見かねて休憩時間に声をかけました。
すると、「本部の方針が変わり、現場にあおりがあって・・・」、
とAさんはしんみり話され、前回のような元気がありません。
顔色もこころなしか、あまりよくないように感じました。
その年の年末、名刺の整理をしている折、
そのようなAさんのことがどうしても気になり、
Aさんの勤務先に年賀状を送ったのでした。
年が明けてのことです。
それは突然のことでした。
Aさんの部下という方からメールが届いたのです。
それはAさんがコーチング研修でお世話にりました・・・
というお礼の言葉から始まっていました。
しかし、次の文章を読んであまりのことに驚きました。
昨年の秋に、Aさんが病で亡くなったとあったのです。
続いて、そのメールにはこうありました。
Aさんがコーチング研修で学んだことについて、
よく話題にしていたこと。
机の上には、研修で書いたカードが貼ってあったこと。
そこには、
どんな上司になりたいか
そのためにこれから始めること、
変えること、
やめること
が書いてあったこと。
メールの最後は、次の言葉で締めくくられていました。
太陽のように明るいAさんは、
私たちは慕い、信頼していました。
Aさんの「思い」を
今度は残った自分たちが育てていきます。
Aさんのご冥福を祈り、静かにメールをとじました。
Aさんが職場で今までしてきたことや思いは、
本人が亡くなってからも、こうして周りの人たちがつなげていこうとしている。
これこそAさんの人として影響力であり、
真のリーダーシップなのだとしみじみと感じ入りました。
「この人と一緒にやりたい」
果たして、今の自分は周りの人たちから、
どれくらいそう思われているでしょうか?
周りの人たちは、自分という人から、
未来に向けて何かをつなげていきたいと、
どれくらい思っているでしょうか。
今の自分の「生きざま」は、
一体「未来」にどのような影響を残せるものになっているでしょうか。
上司、リーダーになった時に、
このことを常に意識しつつ、振る舞うことが求められていると思います。
人としての影響力。
「自分と一緒にやりたい」。
相手から、周囲からそう思われる人になりたいものです。
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