こんにちは。storyIの猪俣恭子です。

ある銀行で長く本部勤務が続いた友人が、支店長として営業店に異動になりました。

さぞかしプレッシャーに感じているだろうと心配しましたが、彼はこう言い切りました。

「大丈夫。僕にはコーチングがある。コーチングを活用しなから、部下たちやお客様とよい関係を創れる自信がある。部下たちのモチベーションを大切に全員で力をあわせ、どんな営業目標でも達成できる」

最後は自分に言い聞かせているようにも聞こえました。

しかし、なかなかどうして、彼が支店長を務める営業店は、二期連続して鮮やかに与えられた数字を軽やかに超えたのです。

コーチングとは目標達成に向けて主体的な行動を促すコミュニケーションの技術を言います。
その効果は私も実感済みです。

かつて私が印刷会社で後継者の立場で働いていた時、当時の職場では生産性に関する様々な問題が起きていました。
工場では同じ類のトラブルが繰り返されていました。

制作オペレーターは「猪俣さんから指示がないと何をしたらいいのかわからない」と絵に描いたような指示待ち状態。
さらに、仕事に慣れた頃に退職するといった具合に、若手社員が定着しない状態でした。

業務効率化に向けて機械などの設備、制度、仕組みを整えたところで、職場の一番の問題はこうした「人」に関するものでしかありません。

これら「人の問題」をなんとかしたいと、2004年に私はコーチングを学び始めました。

学んだばかりのコーチングを社員に活かすと、驚いたことに彼ら彼女らに次のような変化が起きたのです。

トラブルが起こると「この場合はこうしたほうがよいですよね」と自ら解決策を考えて提案するようになりました。
工場では同じミスを繰り返すことがないようにと、社員同士で勉強会を開くようになりました。
お客さま情報が特定の社員でとまることなく、営業課全体で情報共有されるようになりました。

結果として残業時間が少なくなりました。

しかもお客さまからは、「最近、御社の様子が変わりましたね。皆さん、活き活きしていらっしゃいます。どうしたんですか?」と尋ねられるまでになりました。

この変化は一体どうして?!

人が自ら意欲を高め、責任を持って行動し、他者と協力ながら組織の目標を達成していくようになるには、どうしたらそうなるのでしょう?

コーチングにはそのための秘訣が多く込められています。

軸になることを言うならば「相手を変えることよりも、自分の影響力を整える」こと。
そして、「相手を変える」か「自分を変える」かではなく、「第三の選択肢」を見出すことです。

こちらのブログでは組織と個人のパフォーマンスアップを実現するコーチングの可能性を事例とともに紹介してまいります。

第一回のテーマは、「部下のモチベーションは、上司の“気分”と“言葉”で決まる」です。

どうぞお楽しみに。