こんにちは。storyIの猪俣恭子です。

あなたは、自分の「強み」をどのように見つけていますか?

強み発見ツールなど、世間にはいろいろなものがありますが、私のおススメはズバリ!
周りの方に聞いてみることです。

「私の強みを教えてもらえますか?」と。

大体、自分の「強み」というのは、実は自分が一番よくわかっていません。

なにせ自分と一心同体なのですから。

例えるなら、クリーニング屋のタグのようなものです。
あの「猪俣様」と書いてある。

あのタグが、もしも着ているジャケットの背中の裾についたままになっていたら?
当の本人が一番気がつかないのではないでしょうか。

むしろ周りの人のほうが、「あっ! ついていますよ」と気がついたりして。

今から13年くらい前、私も周りの人に自分の「強み」を聞いてみたことがあります。
当時のメモを見ると、こう書いてありました。

友人Aさんから

  • リーダーシップがある
  • 信頼感がある
  • 気配り、周囲への配慮がある
  • 達成意欲が強い
  • ゴールへのコミットが高い
  • 前向き
  • 辛いことや簡単に受け入れられないことでも、自分のこととして受けとめ、今後の課題として捉えることができる

友人Bさんから

  • いいものを目指そうと思う、最高のものを目指そうとする意志がある
  • 妥協しないでやる
  • 責任感がある
  • 実行力、行動力がある

家族から

  • 元気
  • 頑張りや

家族からのが一番少ないのが気になりますが、とはいえ、こうしていただけるのは有難いことです。

しかし、ひとつだけ気になった項目がありました。

それは、「リーダーシップがある」というところです。

え? 私にあるだろうか?
いやいや、とてもあるとは思えませんでした。

あったら、もっと人間関係も仕事も上手くいっているはずです。

そもそもリーダーシップを高めたいと思ったから、コーチングを学び始めたわけですし。

しかし、しかしです。
その言葉を有難くいただくことにしました。

当時の私は、リーダーシップを学んで職場の人間関係をよりよくしていきたいし、組織の問題解決力をもっと高めたいと願っていました。
ですが、現実は到底そこにはたどりつくものではなく、リーダーシップを構成する項目を見ても、自分には足りないものばかりです。

でも、思いなおしてみました。

「強み」を活かして、どんどん伸びる人というのは、「あなたはここが強みだよね」と周りから教えてもらったことを素直にいただける人ではないかと。

周りが自分に対してそう思ったという意味では、間違いなく事実なのですから。

「いえいえ、そんなことはありません。まだまだ足りないところばかりです」と謙虚になりすぎずに、相手がせっかく届けてくれた言葉をきちんと受けとることは、相手のその気持ちを尊重することにもなります。

それに、受けとったその瞬間から、その言葉は少しずつ自分に馴染みはじめます。

強みを教えてもらったら有難くいただくということは、相手との関係性がより豊かになることにも通じるのではないでしょうか。

そう言えば、こんなこともありました。

仕事仲間の後輩に、「あなたが感じている私の強みを教えてよ」とお願いした時のことです。

彼女は、「いいですよ」と快諾。
翌日にはメールを送ってくれました。

お礼を伝えると、「猪俣さんばかりずるいですよ~。私の強みも教えてください」と言ってくるではないですか。

このあっけらかんぶりが、既に彼女の魅力なのですが。

「あなたの強みは、物事に取りくむスピードが速いこと。
だから同じ時間でも他の人よりも多くのことが出来ているじゃない。

それって経験が人より増えることだから、人生で得られることが人より多いってことじゃない?
私も真似したいと思っているんだ」

驚いたことに、彼女は「自分が物事に取りくむスピードが速い」ことに全く気がついていなかったと言うではないですか。

やっぱりそうなんですね。

「強み」というのは、自分ではもう無意識にやっていることですから、本人にとって特別なことをしているという実感がありません。

だから、自分の強みは自分が一番わからないのです。

「教えてくれてありがとうございました。これからは、これが自分の強みと意識してやっていきます」

その時の彼女の嬉しそうな顔は、今でも忘れられません。

自分の「強み」を相手から教えてもらう。
そして、自分も相手の「強み」を伝える。

こういうやりとりから、温かい「つながり」が生まれてくるように思います。

「あなたが感じている私の強みを教えてくれない?」
教えてもらったら「ありがとう」と素直にいただいて、あなたも自分が思う相手の「強み」を伝える。

これぞ、「強み探求」の極意という気がしてなりません。