こんにちは。storyIの猪俣恭子です。
社会人二年目の時、先輩に言われた言葉が忘れられません。
「すごいね。あなたがいると、そのチームはいい結果を出すわよね」
と。
その言葉が飛び上がるほど嬉しくて、モチベーションが上がった感覚を今でも覚えています。
経営学、なかでも「組織論」で知られる同志社大学の太田肇教授は、上司からの承認(褒める、認める)の効果を正確に裏付けようと三年間にわたって実証研究を行いました。
その結果は大変興味深いものでした。
「大企業、中小企業、正社員、派遣社員の違いにかかわらず、上司の承認(褒める、認める)が明らかに部下のモチベーションを高めている」
という結果になったそうです。
(『承認とモチベーション~実証されたその効果』太田肇著/同文館出版)
ならば、私たちは、部下にいつどのような場面でどのように承認をしたらいいのでしょうか?
それらを備えておくことは、とても大切です。
そのためにも、今まで承認された体験を整理することには価値があります。
なぜなら、人は自分がされたことは相手にも同じようにできるからです。
日常のささやかな出来事で十分です。
例えば?
- 誕生日を覚えていてくれた
- お土産をもらった
- 過去に話した話題を覚えていてくれた
- 懇親会や送別会、飲み会に声をかけてもらった
- 自分にも話題をふってくれた
- 持ち物や着ている服やヘアスタイルを褒められた
- 自分が興味を持っている話題をとりあげてくれた
- メールや年賀状に返事があった
- 話を最後までさえきらずに聞いてくれた
- 声をかけたら身体をこちらに向けて話を聞く姿勢をとってくれた
- 約束を守ってくれた
- 名前で呼んでくれた
- 「ありがとう」とお礼を言われた
- 相談された
など、振り返れば実に多くあります。
参考までに私の体験を紹介します。
社会人一年目のときのことです。
当時の私は、
「今の仕事は自分に向いていないのではないか」
と思うほどミスが続き、自信をなくしていました。
口からでる言葉は「申し訳ありませんでした」ばかり。
周りに迷惑ばかりかけているようで、相当落ち込んでいました。
ある日の朝、いつものように挨拶をしながら自分の机に向かう途中、上司のSさんに声をかけらました。
「課長があなたのことを『最近元気がないけど、大丈夫か?』と心配していたよ」
と。
驚いてぱっと後ろを振り返ると、にこやかな表情でこちらを見ている課長と目が合いました。
その眼差しは少し照れているようにも見えましたが、それがなお一層気遣ってくれているように感じられ、嬉しさが込み上げてきました。
「こんなことで落ち込んでいられない。やってしまったミスは挽回するしかない。どうしたら改善できるか考えよう」
不思議とようやくこれからのことに意識が向くようになりました。
素直に「頑張ろう!」とさえ思えました。
社会人最初の一年間をなんとか乗り越えられたのは、上司のSさんと課長の「承認」あってこそと思っています。
私の体験を紹介しました。
あなたはいかがですか?
あなたは、いつ、どこで、誰から、どのような承認を受けたことがあったでしょうか?
その時、どんな気持ちになりましたか?
部下のモチベーションを上げる承認ができるようになるために、自分自身の体験を振り返ってみましょう。
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