こんにちは。storyIの猪俣恭子です。
「大企業、中小企業、正社員、派遣社員の違いにかかわらず、上司の承認(褒める、認める)が明らかに部下のモチベーションを高めている」という結果があります。
(『承認とモチベーション~実証されたその効果』太田肇著/同文館出版)
人は自分がされたことは相手にも同じようにできる可能性は高く、だからこそ自分にどのような承認を受けた体験があるかを振り返ることに価値があります。
前回に続き、今回も私の体験を紹介します。
社会人五年目の時のこと。
外出先から職場に戻ると、机に昇格後の新しい名刺が置いてあるのことに気づきました。
そのケースを手に取り開けてみると、一番上の名刺の余白に書いてある文字が目に入りました。
「おめでとう。それなりにふさわしく、狭かったら、もっと広い位置をねらってください」
それは上司の直筆メッセージでした。
慌てて隣の部屋に駆け込むと、雑誌を読んでいる上司の背中が見えました。
「ありがとうございます!」
息を弾ませてお礼を言うと、上司は後ろ姿のまま右手を軽く上げるのみ(かっこいい!)。
リーダーとして、後輩のモデルになるような先輩になろうと心に決めました。
その名刺は、今でも大切に持ち歩いています。
この部署に異動が決まったときは、こんなサプライズがありました。
異動が決まった時は、期待もありますが、同時に不安も大きくなるものです。
引継ぎや送別会をしていただきながら、少しずつ憂鬱な気分になってきました。
自分に果たしてその仕事ができるのだろうか?
と。
そんな時、社内のメール便で手紙が届いたのです。
異動先の職場の一期上の先輩からでした。
「なんだろう?」
と封を開けてみると・・・。
「福田さん(私の旧姓です)。
このたびは栄転、おめでとう!
今は引継ぎなど大変忙しい毎日を過ごしていると思いますが、そちらに専念して安心してこちらに来てください。
私たち一同、福田さんと一緒に働けるのを心から楽しみにしています」
この手紙にどれほど勇気づけられたことでしょう。
今でもその感動は忘れられません。
あなたも今まで受けた承認の体験を振り返ってみてください。
部下を承認するときのバリエーションが確実に増えますから。
ところで相手から承認されるのを待つ人と、反対にこちらから承認しようと決めている人がいます。
前者のままでずっといると、相手に「もっとこうしてほしい」と期待するばかりになります。
相手の一挙手一投足に反応するようになります。
自分を承認してくれるように、相手をコントロールするようにもなります。
それよりも、あなたが部下を承認する側でいましょう。
あなたから承認を受けた体験を持つ部下は、今度は自分が身近な人に承認するようになります。
その影響はどんどん広がります。
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