こんにちは。storyIの猪俣恭子です。
ビジョンとは「実現したいことや実現したときのイメージをクリアに描いた、未来の青写真」をいいます。それは、私たちが目標達成に向けて行動し続けるためにとても大切なものです。
なぜなら、ビジョンが描けていると、今していることは未来につながると自分なりに意味づけができ、モチベーションが高くなるからです。
ビジョンは明確であればあるほど、実現する可能性が高くなります。
これを脳科学的にいうと、わたしたちの脳は「こうありたい」というビジョンがはっきりしているほど、今の状態とのギャップを強く感じ、『認知の不協和』という不快感をおぼえるそうです。
この不快感を解消するために、「脳は五感を通してインプットされる多くの情報から、ギャップを埋めるのに必要な情報を選別する」ことがわかっています。
例えば「そろそろパソコンを買い替えようかな。どんなパソコンがいいかな」と考えていたとします。
すると、周囲の人がどんなパソコンを使っているか気になって意識してみるようになったり、雑誌を読んでいると以前よりもパソコンが掲載されているページがいち早く目に入ってきたりします。
似たようなことは、あなたにもあるのではないでしょうか。
つまり、ビジョンが具体的に描けていれば、実現のための必要な情報が自ずと手にはいるようになのです。
ビジョンを描く意味がそこにあります。
では、部下がビジョンを描けるようなるには、どのように関わればいいでしょうか?
その前に、まずはあなた自身から取り組んでみましょう。
人は自ずと影響しながら生きています。
あなたがビジョンをもっていて、そこに近づいている人なのか、そうでないのかとでは、部下に伝わる「真剣度」や「本気度」が全く違います。
あなたは、今、どれくらいビジョンが描けていますか?
私は、コーチングを学び始めた2004年くらいの頃、全くビジョンが描けていませんでした。
ビジョンを描くことよりも、目の前のことをきちんとやり遂げるほうが意味があると思っていました。
しかし、あることがきっかけで少しずつ描けるようになったのです。
それはコーチングを受けていた時のコーチからの質問がきっかけでした。
「猪俣さんは5年後、どうなっていたいの?」
とコーチから質問されたことがあります。
「わかりません。
こうなりたいと思っても、そのとおりにならないのが人生っていうもんじゃないですか。
先のことを考えても、しょうがないです」
さもわかったように返しました。
すると、
「そんなことを言っていたら、何もできないよ」
と、コーチ、一喝。
正直、カチンときました。
だったらと、半ばやぶれかぶれになって言ったわけです。
「コミュニケーション研修の仕事をしている、
プロフェッショナルコーチの資格をとっている、
クラスコーチになっている、
コーチとして活動している私が新聞にのっている・・」
間髪をいれず、コーチは次の質問をしました。
「それって、何新聞?」
えっ?
何新聞だろう?
さっと浮かんだ「イメージ」が地元のA新聞。
その地域欄に、私の顔写真とともにコーチングの活動について掲載されている紙面が、一瞬ですが映像として浮かんだのです。
コーチの「それって何新聞?」の質問は、脳裏に浮かんだ私のビジョンをさらに具体的に鮮明にしてくれました。
それは間違いなく、私のモチベーションを上げたのです。
それからどうなったかというと、あのときにコーチに語ったことは、5年もしないうちにそのとおりになっていました。
もう一度訊ねます。
あなたは、今、どれくらいビジョンが描けていますか?
ビジョンを描くための質問をいくつか用意しました。
自分に問いかけてみてください。
もしかしたら、ぼんやりした答えしか浮かばないかもしれません。
でも、あきらめないでください。
まずは未来のことをイメージすることに、価値があるのですから。
- なんのために仕事をしていますか?
- どこで仕事をしていますか?
- 誰と一緒に仕事をしていますか?
- あなたのポジションは何ですか?
- 周りの人と何を話していますか?
- あなたが仕事で大切にしていることは何ですか?
- その仕事を通して社会にどのように貢献していますか?
- どんな人と言われていますか?
- 休日は何をして過ごしていますか?
- どこに住んでいますか?
- 家族とどのように過ごしていますか?
- 部下や後輩にアドバイスをするとしたら、何を言いますか?
何年後のことでも構いません。
あなたの未来を描いてみましょう。
少しずつ、くっきり、はっきりと。
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