こんにちは。storyIの猪俣恭子です。
「落ちないリンゴ」。
聞いたことがありますか?
受験生をターゲットに一個1,000円で販売され、高値であったにもかかわらず、あっという間に完売になった商品です。
これはそもそも、1991年に台風が青森を襲い、生産量の約9割のリンゴが落ちてしまい、出荷ができなくなったことから始まります。
生産農家の多くは、途方にくれて嘆きました。
そんな中でも、「何か、できることはないか」…と考え続けた農家がありました。
その農家は、落ちなかったリンゴを「落ちないリンゴ」と名付け、全国の神社で販売するアイディアを思いつきます。
商品化は成功。
大ヒットとなり、リンゴ農園の経営を守ることができました。
同じ状況にあっても、捉え方は三者三様です。
今ある状況は、周囲のせいで自分には責任がなく、環境を変えることはできない…と捉える人もいれば、反対に自分自身の意識や行動次第で環境を変えることはできる…と捉える人もいます。
捉え方が変われば、そのあとの行動も変わります。
嘆いて終わるのか、それとも状況打開のためのアイディアを探し続けるか?
前者の立場を「被害者意識」にあると言い、後者の立場を「当事者意識」にあると言います。
「落ちないリンゴ」で窮地を乗り越えた農家は、当事者意識を高く持っていた、といえるでしょう。
さて。
働くというのは、問題解決に向けて事実と向き合うことの連続です。
計画どおり順当に進むこともあれば、青森のリンゴ農園を襲った台風のように、突然の不測の事態に陥ることもあります。
そのときに、あなたは、あなたの部下は、あなたのチームは、どのような行動をとるでしょうか?
「落ちないリンゴ」の農家がとったような行動をとりたいのなら、「当事者意識」をもちましょう。
「目の前に起きている事実から目を背けず、正面から向き合う自信を手に入れたい」のならば、それは「当事者意識」なしには得られません。
そうして起こした行動の先に必ず、問題解決のヒントがあります。
といっても、私たちは常に「当事者意識」を高く持てるわけではありません。
仕事をしていて、次のようなことを思ったことはありませんか?
「こんな状況になったのは、会社の体制が悪いからだ」
「そんなことは、聞いていません」
「もともと、無理だったんですよ」
「私は頑張っているのに、あの人がちゃんとしないから」
「こうなったのは、あの人のせい」
程度の差こそあれ、誰でもいとも簡単に「被害者意識」が高くなるときはあります。
だからこそ「被害者意識」を長く持ち続けてはいけません。
なぜなら、そういう状態のときは、「自分には事態を変えるだけの力はない」とあきらめているわけですから、結局、無力感にかられるようになるからです。
自信が失われ、ストレスレベルが高くなり、余計に愚痴や言い訳が多くなります。
「当事者意識」の高い自分を取り戻すために大切なのは、今、自分が「当事者意識」にあるのか、「被害者意識」にあるのかを自己観察して気づくことです。
気づくことができれば、望ましい状態に自ら切り替えることができます。
では、もしも部下が「被害者意識」が高い状態だったら・・・?
あなただったらどう関わりますか?
このことについては、次回お伝えしてまいりましょう。
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