こんにちは。storyIの猪俣恭子です。
部下の気持ちと行動が未来に向けて動けるようにサポートする時には、かなりのエネルギーを使います。
ですから、部下うんぬんよりも、あなたが今どれくらいそれに向き合える「心の余裕」があるのかが、とても大切になってきます。
部下とともに事を成し遂げたいと思うなら、なおさらのことです。
また、仕事は「選択し、決める」ことの連続。
あなたには「役割」として、より一層そのことが求められています。
「心の余裕」がなければ、そもそも集中できません。
意識はどうしても、自分に向いてしまいます。
部下のことや周囲のことなど、気がまわらなくなります。
そうならないように、もしくは既にそうなったとしても、いつでも「心の余裕」を取り戻せるようになりましょう。
心の状態を整えることについて、今一度、違う視点から見ていきたいと思います。
あなたはどのような時に、心の余裕がなくなりますか?
自信がなくなる時。
本当にできるのだろうか、結果が出せるのだろうか、と不安になる時。
他には、
自分にがっかりしたり、辛かったり、しんどかったり。
惨めに感じたり、気が滅入ったり、もうだめだと思ったり。
自分はこの仕事に向いていないのではないか、このポジションは不相応ではないか、と落ち込んだり。
こんな時は心が疲れます。
余裕がなくなります。
では、心の余裕を取り戻すために、あなたがしていることは何でしょう?
「落ち込んでばかりいられない。頑張ろう」
「元気を出そう」
「前向きに考えよう」
「これから一所懸命やろう」
多くはこのように「気持ち」で乗り越えようとしています。
しかし、それで本当に立ち直れるでしょうか。
以前と変わらず、モチベーションを感じながら仕事と向きあえるでしょうか。
そもそも「疲れている心」で「心」を変えようとしても、うまくはいきません。
そのような時は、「身体」を使ったほうが効果的です。
それに関し、『進化しすぎた脳』(講談社ブルーバックス)などで知られる、池谷祐二氏(東京大学大学院)は、著書の中でとても興味深い話をしています。
脳は硬い頭蓋骨に覆われていて、外の世界と直接つながっていない。
だから、五感や手足の動きなど、身体を通してでしか脳は今の状況を知る術がないといいます。
つまり「悲しい」から「泣く」一方で、「泣く」から「悲しく」なることも普通に起こりえると。
それは「泣いている」という生理現象を脳が「悲しい」と解釈して、そうなるのだそうです。
例えば、口角を上げるなど、表情筋を動かして笑顔をつくったとします。
脳は身体状況しかわかりませんから、そういう表情をしているということは「どうやら、笑顔でいるのだな」と解釈します。
笑顔なのに、つまらないと思っていては矛盾する。
それで楽しい、面白いという気持ちが起きてくるのだそうです。
言われてみれば、同じ文章でも、悲しい声で読めば悲しくなるし、イラついた声で読めばイライラしてきます。
楽しそうな声で読めば、楽しくなってきます。
職場でも思い当たることがあります。
例えば、目の前にある電話に着信があったとします。
「忙しいのに。出るのが面倒だなあ」
一瞬、そう思ったとしても、受話器をとった瞬間に背筋を伸ばし、笑顔をつくり、明るくはきはきとした声を出すだけで、気持ちは既に切り替わっているはずです。
心の疲れを感じた時。
そのような時は「心」で「心」のありようを変えるのではなく、「身体」を使って変えましょう。
- 顔を上げる
- 口角を上げる
- 背筋を伸ばす
- 胸を張る
- 声を出して笑う
- 声のトーンを高くする
- 声を大きくする
- 深呼吸する
- 颯爽と歩く
- 運動する
- 大きく伸びをする
- ストレッチをする
・・・など。
緊張がほぐれ、余裕が生まれるのを感じるでしょう。
余裕が生まれれば、物ごとの捉え方が広がります。
視野も広がり、客観性を取り戻せます。
集中力も高くなります。
適切な判断もできるようになります。
すると、決断のスピードが速くなります。
あなたがそういう状態であれば、あなたを見ている周りも、そうなります。
多忙に任せて、私たちは「心の状態」を整えることを忘れがちです。
でも、一日5分でも構いません。
振り返ってメンテナンスをしましょう。
心に余裕がある状態を、常につくりだしましょう。
そして思う存分、力を使ってください。
部下が上手くいくために。
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