こんにちは。storyIの猪俣恭子です。

5年ほど前のことです。
あるアプリケーションソフトと、それ専用に使うPCをあわせて購入したことがあります。

購入先の企業のサポートセンターに電話をして、インストール含めてセッティングについて教えてもらいました。

しかし、なんともカタカナ用語のオンパレードで、画面のどこを指しているのか、どこがどうなのか、さっぱり「?」です。
電話でサポートしてくれている担当者は、声の感じからして20代前半。

30分過ぎたあたりで、彼がほとほと困ったように言いました。

「あの…。私はサポートできる自信がありません」

おおっ!
サポートセンターの人から「あなたをサポートできる自信がありません」なんて言われたのは初めてです。

初心者にもわかるように説明するのがサポート担当者の役割ではないか…と思いましたが、あまりのことに笑ってしまいました。

しかし、数秒、お互い沈黙。

「まあまあ、そう言わずに、なんとかやりますから」

と開口一番、彼に言った自分が可笑しくなって、さらに笑ってしまいました。

彼も困った気持ちを吐き出せて気持ちが楽になったのか、声の感じや話し方も落ち着いてきたようです。

結局、セッティングは無事に完了しました。

その時の彼のまあ、なんとも嬉しそうな様子。
電話越しでも十分に伝わってきます。

きっと今回のことは、彼の成功体験になることでしょう。

ああ、これからはこんなふうに若い人から説明されても、わからないことだらけになっていくのかもなあ…としみじみしてしまいました。

しかし、しかしですよ。

わからないことを一から教えてもらうことに怖れない、って大切です。

そのうち慣れればわかるようになりますから。
「わかるようになる」という努力を相手に見せることで、お互いの信頼というものが育つきっかけにもなります。

必ず。

わかったふりをしないこと。
知ったかぶりをしないこと。

相手から教えてもらいながら、教えてもらったことは一人でできるようにと努力を示しながら、「ありがとう」を爽やかに伝えられる人。

それが、世代に関係なく、世代を超えて「人として愛される人」です。