こんにちは。storyIの猪俣恭子です。

ドラマを観るのがえらく好きです。
役者さんの演技から学びます。

自分の台詞でないものを、どう自分に取り込んで表現するのか。
セリフを表現する時の「間」「スピード」「強弱」。
もちろん身体での表現も。

加えて、脚本に興味があります。

登場人物を全体のストーリーのなかで、どう生きさせるのか。
どのような目的をそこに持たせるのか。

役者さんも脚本家も「人」を観察し、洞察し、自分なりの解釈があってこそ輝くものです。

随分前ですが、映画『チーム・バチスタの栄光』で竹内結子さんが心療内科医を演じていました。
目を奪われたシーンがありました。

場面は、竹内さん演じる、医者と患者さんの入院室。

医者は患者さんが座るベッドの隣、椅子の上で体育座りをしています。
部屋に射す光の加減から、時間の経過がみてとれます。
だんだんとその光が陰り、陽が落ちたことがわかります。

その間、二人の間に何も会話はありません。

「じゃあ、行くね」

医者がそう患者さんに声をかけると、患者さんはこう言いました。

「何も言わないでいてくれて、ありがとう。」

何も言わないでいてくれて、ありがとう、か〜。

なんて素敵なのでしょう!

ともすると、人は相手に元気になってほしくて、いろいろとアドバイスをしたくなるものです。
気の利いたことを言いたくなるものです。

その捉え方をこう変えるといいよ、とか。
この先に振り返ると、今の状況がよかったと思えるよ、とか。

何も言わずに、時間をともに味わう。

それだけで、きっと人は、自分はこの世に確かに存在しているんだ…と信じられようになるでしょう。

脚本は文字の羅列。
それを役者さんがvividに展開していく。

その中に、真実のカケラが散りばめられている。

私にとって、ドラマや映画を味わうのは、研修やコーチングの仕事にとてもとても役立つものです。