こんにちは。storyIの猪俣恭子です。

NHKの「ダーウィンが来た」は好きな番組の一つです。
いまだに一番印象に残っているのは、「母ライオン頑張る! ひとりぼっちの子育て」というもの。

ひとりぼっちの子育て・・・ですよ。

ライオンは数頭のオスとメスが群れをつくって、狩りや子育てを共同しながら生活しているそうです。

ここで登場するあるメスライオンは放浪中のオスライオンに群れを襲われ、たった一人で6頭もの子どもを育てることになったとのこと。
大切な縄張りも他の群れに奪われ、水飲みの確保や狩りも思うようにいきません。

夜中にそっと他の群れの水飲み場で喉を潤そうとしても、その群れのメスライオンに威嚇され、立ち去らざるをえなくなります。

飢えが続くなか、ある日からふっと消息がわからなくなりました。

ところが、三週間ぶり(と記憶しているが)にその家族を目の当たりにした番組スタッフは、目を見張りました。
もちろん番組を見ていた私も!

あどけなかった子ライオンたちは一回り大きくなり、以前は母ライオンの後ろをちょこちょことついていくだけでしたが、今は、母ライオンを守るように囲んで歩いているじゃないですか。

狩りにしても、子ライオンが連携をお互いにとりながら見事に成功させています。

ああ、無事生きていてよかった。
心底、そう思いました。

しかし、驚いたのは次のナレーションです。

縄張りを失った子ライオンたちの成長は、他の群れの子ライオンよりも、半年早い。

えっえぇっー! 半年も!

つまり、ここまで狩りをする子ライオンは普通に考えればいないっていうこと?
今自分にある環境を「当たり前」と思って、生きるためにできることを、ただただやっていたら、結果的にそうなったというところでしょう。

でも、これが人だったらそうは上手くいかないのでは?

もしもこれらの子ライオンと同じ状況にあったら、こう言っているかもしれません。

「なんで、私ばっかりこうなのよ。
あそこの家は、飲みたいときに水が飲めて、餌だって親がとってきてくれるじゃない。
ひもじくて我慢できないわよ。
うちは、日中の暑いときに身体を休める木陰さえない。
あっちの家は、お父さんだっている。
いいなあ。
なんで、私ばっかりこうなのよ。
不幸だわ、不幸っ!」

まあまあ、他人と比べるなかれ。
他の家庭とも比べるなかれ。
今の環境でのびのびと生きるべし。

不便や不足していること、そんな余計なことは考え過ぎずに、できることを一生懸命にすべし。

ということでしょうかね。

同時に、こんなことも思いました。

相手のためによかれと思って、環境を整えすぎようとしていないか。
手をさしのべすぎていなかっだろうか。

いや、ありますねぇ。

番組の最後の「映像」が今でも心に残ります。
母ライオンを守るように囲みながら、大地を歩む子ライオンたち。

とっても頼もしく見えました。

環境を嘆いたら、思いっきり毒づきましょう。
でも、時間を決めて。

そのうえで、自分に与えられた「今ある環境」を十分愛しましょう。

それからです。
ものの見事に「今できること」に意識を切り替えて。

他人と比べるなかれ。
今の環境でのびのびと生きるべし。

不便や不足していること、そんな余計なことは考え過ぎずに、できることを一生懸命にすべし。

気がつけば、「こんなに高いところに来たんだ」と爽快な気分になっていますから。