こんにちは。storyIの猪俣恭子です。

ブランドものは結構好きでして。
そこには、ストーリーがあって、そのストーリーをカタチにするための職人魂があって、
デザインには情熱が込められていて・・・、と一人盛り上がる私。

ブランドの店舗は、さながら現代アートのよう。
よく一人で、ふらっと入る。

店員さんから声をかけられると、「見ているだけです。ほほほ」と返すのがルーチン。

少し前のことだ。
ルイ・ヴィトンの店に入る。

ある夫婦に目がとまった。
その夫婦は、いわゆる「お金持ち~!」の雰囲気ぷんぷんではなく、親戚のおばちゃんおじちゃんのような、親しみある雰囲気。
ちょっとそこまで買い物に、のような普段着のような装い。

それで、奥さんのほうは、全身が映る鏡を前に、片手にバッグを持ち、ちょっと右左に身体をそらす。
鏡のなかの自分をそれはそれは、にこやかに眺めている。

店員さんは、奥さんとちょっと距離をとって、やわらかく微笑む。
まるで調和をとるように静かにそこにいる。

おかしかったのが、ご主人!

イスに座って、視線がもう落ち着かない。

きょろきょろとあたりを見て、表情はもう緊張そのもの。
居心地悪しと、そわそわそわそわ。

この夫婦、いいなぁ。
勝手に脚本をつくる。

奥さんは何かの記念日で、
かねてから欲しかったルイ・ヴィトンのバッグを買い物に、ご主人と来たとか?


いやいや、もしかしたら、ご主人は何かの罪滅ぼしで、奥さんがかねてから欲しかったバッグを買わせている?


いやいや、もしかしたら誰かのプレゼントを選びにきているとか?

ふむ。最初の見立てに一票。
何か特別な時に、記念に購入したいと選んでもらえる商品だとするならば、さすがはルイ・ヴィトン。

そして、あの夫婦。

今でも思い出すと、なぜかほっと癒される。
一緒につきあってくれるご主人もいいじゃないか。



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